軽量シャフトの付いたクラブの方が本当に振りやすいのだろうか?
ダイナミックゴールド(S300)を付けたプロギアの昔FWは、鉛をソールに20g弱貼らないと軽過ぎて振りにくいと感じた。
今回、それよりも明らかに軽量のカーボンシャフトが入っている「ゼクシオ」のフェアウェイウッドを入手し、アドレスしたり、素振りしてみたりしているが、これがどうにも“振り重たい”。これをビュッと振るためには、プロギアのスチールシャフト付きよりも自分の出力を上げなければならない。そんな気がした。
この振り重たさであれば、この「ゼクシオ」のヘッドはそんなに軽くないんだと思う。これにダイナミックゴールドを挿れても決して振りやすくはならない。そう推察する。シャフトを抜いてヘッド重量が210g以上あったらダイナミックゴールドはやめておこうと決めた。
これは個人的な感覚だが、重たいヘッドに軽いシャフトを付けても軽快な振り心地にはならない。とくに軽くて、軟らかいシャフトの場合は、ある一定以上の長さになると途端に振り重たく感じる。今回のゼクシオ7w、長さ41.5インチ、硬度Rというスペックでは、ヘッド側が重た過ぎて、自分のスピードでビュッと振ったら振り遅れるのは確定。振り遅れないためには、ヘッドの重さを感じてスピードを遅くして振るしかないと思った。
結局、誰が打とうが、この重ヘッド、軟シャフトで安定して振るためには、スピード(人によっては適正、人によってはスローダウン)を似たようなものにしないと、よりよいインパクトは作りにくい。クラブがスピードやリズムを決めてしまうといっていいだろう。
では、軽ヘッド、重シャフトのプロギアm30の場合はどうなるか。
ヘッドに貼る鉛次第で、誰もが好みのスピードで振ることができる。自分のスピード、タイミング、振りたいと思ったスピード感でクラブを振ることができると思う。クラブに自分の出力を合わせる必要はない。自分が振りやすいと感じるバランス感に、鉛を使って近づけていけばいいのだ。
ゼクシオの7wはチタンヘッドだから、高比重インナーウェイトを内蔵しなければメチャ軽に仕上がっていたはずだ。
しかし、多くのクラブメーカーがそうであるようにチタンやカーボンコンポジットにする目的は、余剰重量を生み出してそれをヘッドの意図した場所に再配分することにある。軽くしてもその重さをどこかに戻すのだから、ヘッド重量は変わらない。ヘッドの重さが変わらない以上、短くしたり、カウンターウェイトなどにしないと「振り重たさ」は解消できないのだ。いや、重さを配分する位置によってはさらに振り重たくなってしまうだろう。
何が言いたいか。
目的がヘッドの軽量化ではないから、軽くなったまま、にしてくれているクラブヘッドは、ほとんど存在しないということだ。
その点では私が使っているプロギアm30は、とても珍しい。レディス、その中でも低速なヘッドスピード30m/sを対象に考えられているから、メチャ軽ヘッドのままにしておいてくれている。このモデルの対象ゴルファーはシャフトの軽量化だけではなく、ヘッドも軽量にしないと振り切れないだろうと判断されたのだと思う。
ちなみに、ゼクシオ7wの総重量は318g(41.5インチ)だった。プロギアm30(ダイナミックゴールド/40インチ)は360g。42gも違う。
それなのに、軽くゼクシオ7wの方が振り重たく感じるのだから、ゴルフクラブとは面白いモノである。個人的にはこうしたところに、今後の“やりよう”みたいなものを感じる。振りやすさをコントロールするために、ヘッドの重量を変えることができる。軽く作っておいて、ユーザー自身で増やせるようにしておく。鉛なんかではなく、かっこいいウェイト機構で。技術的には今すぐにでもできることだと思う。
重心位置を変えるのではなく、単にヘッドのウェイトを増減できる可変ウェイトシステム。フィッティング時代というなら、なおさらそういうモノが使いやすいのではないかと思う。