説明のいらない人となれ

一度慣れたら従来クラブは使えなくなるという「MOE86」シリーズ

売るのに説明が必要なゴルフクラブは小売店には評判がよくないと聞いた。話が長い動画は再生回数が伸びないと聞いた。イントロなしですぐに歌い出す曲じゃないとヒットしない、と聞いた。現代とは、非常にせっかちのようである。

ロフト5°、7°、9°のパターを3本セットで売る、マーク金井のアナライズ。

どうしてパターを一度に3本も買わなあかんのか。その説明を聞く「心のゆとり」はあるだろうか? なんだか面倒だな、と聞くことすらしないのではなかろうか?

現代は「多様性」の時代と言われる。

でも、大型の本屋、図書館、Amazonのようなオンラインストア、サブスク。圧倒的なアイテム数と選択肢を前にした時にしたくなるのは、とりあえず「ランキング」や「レビュー」をチェックすること。自分の経験よりも他者の動向を購買の拠り所とし安心を得る。

もし、「ランキング」や「レビュー」がなかったとしたら。Amazonで気軽にポチッとできないかもしれない。

自分で試行錯誤したり、モノ作りの背景を聞いたりすることは、面倒で、まどろっこしいことかもしれない。でも、自分で学び、体感し、理解していくことで「説明を聞かなくてもわかる人」になっていける。

説明が必要な道具が難しいのではない。選択肢が多いほど迷ってしまうものでもない。「説明を聞かなくてもわかる人」にとっては、どれだけ大型店で、フロアいっぱいに何万アイテムが溢れていても、一瞥して買うモノが一個もないことも珍しくはない。ランキング上位、レビュー上位のモノって結局は、同じモノだからだ。そして、ランキング上位を狙うその他のアイテムも同じモノである。

欲しいモノが売っていない。だから、「自分で作る」に至るのだ。

そうすると、またそれは説明が必要なモノとなる。説明しようとすると敬遠される。世の中って、なかなか難しいのである。

「説明のいらない人」になるためには、学ぶ時間が必要。失敗ももちろん必要な学び。知るのではなく「気づく」ことが大切だ。

 

 

 

 

この記事を書いた人

CLUBER

Cultivator/ Yoshiaki Takanashi
ゴルフの雑誌作りに携わって20余年。独立起業してから5年が過ぎたモノ好き、ゴルフ好き、クラフト好き、信州好きな、とにかく何かを作ってばかりいる人間です。
ポジション・ゼロ株式会社代表/CLUBER BASE TURF & SUPPLY主宰/耕す。発起人
記述は2018年現在