Maintenance inevitability

ソッドウォールバンカーの壁に生え続けられる芝は無い。エッジ天端にある傷跡が意味することはわかるだろうか?

エッジの切り立ったソッドウォールバンカーはリンクスコースの風景に馴染んでいるように感じられるかもしれないが、実のところは究極の人工的造形であり、不自然極まりない芸術である。

芝は大地に芽生え、光を浴び光合成し、太陽に向かって育つ植物である。斜面であれ平面であれ、光は必要で、根が生える地面も水も必要である。伸びれば芝刈は必要であり、育たなければ枯れる。

フェアとアンフェアを明確に区切るため、視認性と難易度を調節するため、人間が編み出した積芝技法。自然の摂理にそぐわないソッドウォールバンカーは数年毎に作り直される。

 

自然の摂理に耐えないものは朽ち果てる、人為工作物は人為管理が不可避性なのである。

 

 

この記事を書いた人

八和田徳文

Cultivator/Norifumi Yawata
ゴルフの仕事に携わって四半世紀。ゴルファーの一人として、ゴルフコースデザイナーの一人として、ゴルフに纏わる想いを綴ります。肩の力を抜いて愉しめばゴルフはもっと面白いはず。
ゴルフコース設計家・ゴルフ文化愛好家・芝生管理アドバイザー