タイガー・ウッズがデビュー期に使っていたフェアウェイウッドが、タイトリストの「PT15(ダイナミックゴールドX100)」。同時期にデービス・ラブIIIは「PT17(EI-70)」を使っていた。15とか17はロフト角を示している。
90年代前半に登場した小さなステンレスヘッドのシリーズである。
個人的にパーシモンのフェアウェイウッド(4番)を気に入ってUT感覚で使っているが、ベテランゴルファーから「パーシモンは雨の日に使うと厄介ですよ。水を吸って変質しちゃいます」と言われ、それは嫌だなぁと思った次第。ならば、雨の日はメタルでやるべぇかと、同じように小さいヘッドの昔っぽいステンレスヘッドを物色したわけである。
タイトリスト PT20だ。15や17は20年くらい前に試し済みで私レベルではボールを思うように浮かすことができなかった。使うとしたら、PT20かPT23だなと思っていた。
入手したPT20には、ダイナミックゴールドS300が入っていた。ロフトが20度あればなんとかなんべぇと思っていたが、想像以上に振り重たかった。上がらないことはないが、振るのにパワーがいる。このままではやはりリキみまくってダメだよね。という感じであった。
そこで、PT20に軽量スチールにしてみんべぇか。と思った。タイガーはDG、ラブIIIはEI-70、アマチュアならもっと軽いスチールかカーボンだろう的な😅 重たくて振れないわと思った場合はシャフトを軽くしていく。そうすればなんとなく振りやすくなる。そのヘッドをなんとかして使うための一般的な「工夫」である。
でも、私はちょっと一般的ではないので、ダイナミックゴールドシャフトを活かす道を選んだ。軽いヘッドに付けたら安定して振りやすいものになるんじゃないかと思ったのだ。
そこで引っ張り出してきたのが、PRGRの古いレディス用フェアウェイウッド「m30」の4wだ。実はこのヘッドに昔のグラファイトデザイン社製シャフト「ブラックG008」を挿れて使っていたことがあった。重たいシャフトでも、このヘッドならおもちゃのクラブのように軽く振ることができるのだ。
それはなぜか?
ヘッド重量が186gしかないからだ。
ちなみにPT20のヘッド重量は224.5g。
38.5gもヘッドの重さが違うのである。
このヘッドが超軽の「m30」にダイナミックゴールドを挿れたらどうなったか?
とてもじゃないが「軽すぎて」使えるものにはならなかった。振り感がスコスコでどうしようもない。
それで、ソールに鉛をどんどん貼っていった。少しずつ貼っては打ち、打っては貼ってを繰り返していい塩梅を見つけた。結局、18g鉛テープを貼った。ヘッド重量は205g程度になったはずである。
それでかなりいい感じで振れるように。いい弾道が打てるようになった。
何がいいたいか。
ヘッド重量が軽くなれば、ダイナミックゴールドでも「重さが足りない」ということである。体感的には、186gのフェアウェイ用ヘッドを40インチで使うとしたらシャフト重量はダイナミックゴールド+20gくらいあってもいいんじゃないかと思った。
「こんな重たいシャフト使って若きタイガーはさすが!」というのも間違ってないと思うが、そんな重たいシャフトもヘッドの重さ次第では軽くて仕方ないものになってしまうのだ。
結局、振り重たい要因になっているのは、シャフトじゃなくヘッドであるということだ。ヘッド重量が決まりきっているから、シャフトをどんどん軽量化せざるを得なかった。それがここ30年のシャフト進化の道筋、既定路線だったと思う。
ではヘッドを軽くすれば? シャフトを今よりも重たくしたくなるのは確実だ。私が「何だダイナミックゴールド軽すぎだ」と思ったように。
ヘッドを軽くし過ぎれば「当たり負け」とかの問題が出てくるらしい。でも、振りやすくて、当たり負けもさほどしない人それぞれのヘッド重量ってきっとあると思う。
個人的には。レディス用ヘッドではたっぷり鉛を貼らないとダメっぽいので、今度はゼクシオなどの総重量を軽量化したモデルのヘッドに、重量スチールシャフトを挿れてみようと思う。
重ヘッドに軽量カーボンシャフトが既定路線の時代だが、私は軽ヘッドに重スチールシャフトの組み合わせに興味がある。やってみたら、そっちのほうが「振りやすく」感じるからである。ゴルフクラブは振りやすいのが一番と思う次第である。
ちなみに、元々のPT20のスイングウェイトはD4。そのシャフトをm30に挿して40インチにしたらスイングウェイトがA6になった。これはスコスコすぎるでしょと鉛を貼っていっていい塩梅かなって思ったところのスイングウェイトはB3くらいでした。B3バランスくらいになってようやく、ウッズと同じようにダイナミックゴールドシャフトを気持ちよく振れたんじゃないかと思う😅