スクエアにインパクトするには

21.4世紀ゴルフ(87) 

前回の続きです。ショットを安定させることができる、もう1つの大きなファクターについてお話しします。

アマチュアゴルファーのみなさんは、インパクトでボールを捕まえることができずに悩んでいませんか? 正しくボールを捕まえることができないと、スライス、プッシュアウトや時としてヒッカケなどが出てしまい、狙った目標に飛ばないだけでなく、飛距離を大幅にロスすることになってしまいます。

「ボールが捕まらない」とは、

簡単に言えば、インパクトでクラブフェースをスクエアに戻すことができていないということです。フェースローテーションが上手くできていないことが、その主たる原因だと私は思っています。

みなさんご存知のように、アドレスでフェースを目標にスクエアに合わせても、スイング中にクラブフェースは、バックスイングで開き、ダウンスイングで閉じる動きをします。フェースの開閉を行うことでスイングスピードを増し、ボールを遠くに弾き飛ばすパワーを生み出しているわけです。しかし、バックスイングで開いたフェースをダウンスイングで急速に閉じ、インパクトでスクエアに戻すことはとても難しく、ここにゴルフの大きな難しさがあるのです。

さて、正しいフェースの開閉(ローテーション)を行うにはどうすればいいでしょうか?

通常のグリップではバックスイングで腕を回してフェースを開き、ダウンスイングからは腕を回し戻すことでフェースを閉じることをしています。俗に“アームローテーション”と言われているものです。

ただ、このアームローテーションにこそ、難しさが潜んでいます。難しいポイントが2つあります。
●ひとつは、ダウンスイングで回し戻す動きが感覚的につかみにくいこと。
○もう一つは、毎回同じ動きを繰り返しにくいこと。です

アームローテーションの適正化と再現性。これがナイスショットの鍵であり、ショットの安定化を大きく左右するのです。そして、このアームローテーションを安定して上手く行うためには、かなりの練習量が必要になります。

ここまでが従来方式での私が考える、スイングの難しさです。

では、もっと簡単にフェースローテーションを安定させる方法はないのでしょうか? 21.4世紀ゴルフ的視点で考えてみました。これまでのスイング法でうまく行っていない方は、これから先に説明する方法をぜひお試しください!

これがアームローテーションを行わなくて済む、右手の握り方です。
これがいわゆるスクエアグリップ(従来型の基本)での右手グリップ。私の腕の手術痕を比べていただくと、上の21.4世紀グリップの方がすでに腕が外側に廻旋していることがわかると思います。

前回お話した「バックスイングを安定させる」握り方をすると、この厄介なアームローテーションが必要なくなります。難しいことをできるようにするのではなく、あえて難しいことを行わなくても済むようにする。それが21.4世紀ゴルフのテーマです。

この方法ならば、スイング中にクラブフェースは開き閉じをしますが、腕はローテーションしません。なぜなら、アドレスの状態で右手のローテーションが完了しているからです。

やり方は簡単です。「アドレスの右手平の向きを保ったままトップオブスイングまで上げたら、そのままの向きでインパクトまで振り下ろせば、いやでも(笑)必ずクラブフェースはスクエア(アドレス時の向き)に戻ります」。

感覚的にも短期間でつかみやすく、繰り返しやすい動きだと思います。

ただし、一つだけ注意が必要です。それはこの握り方をしたら「自分でアームローテーションをしない」こと。これが約束事項になります。

とくにダウンスイングで従来スイングのようにアームローテーションを行ってしまうと、ボールは左にしか飛びませんのでご注意ください。

ゴルフで狙ったところにボールが飛ばないのは、もちろんほかにも原因がありますが、少なくともアームローテーションをなくし、フェースローテーションを安定させるだけで、スクエアインパクトしやすくなりショットのバラツキはかなり改善できると思います。

スイングを単純化する。ボールを捕まえてスライスをストレートボールにしたい! 飛距離を伸ばしたいけど、練習したくても時間がない! そんなゴルファーの方にオススメの握り方です。

ぜひ、お試しを。

この記事を書いた人

伍井 佳介

Cultivator/KEISUKE GOI
おそらく、日本で一番練習しないプロゴルファー。練習しないで上手くプレーする方法を日夜考えています。広告代理店、クラブメーカー、シャフト・グリップメーカー、プロゴルファー、クラブフィッテイングを経て、21.4世紀ゴルフ レッスンを開始。アマチュアゴルファーの方々に、ゴルフを少しでも長く・楽しくプレーして欲しい思いから「21.4世紀ゴルフ」を提案してます。

1956年東京・池袋生まれ 
立教大学 経済学部 卒
公益社団法人日本プロゴルフ協会 トーナメントプレーヤー会員