究極の持ち物というと大袈裟かもしれないですが、このいぶした竹で作られたボールペンを手にした時に、「欲しかったのはこういうのだった」と気がついたのです。
塗装しておらず、外径も削って整えたわけではない。握りやすい太さの部位を吟味し、キャップ部もそぐう太さの部位を見繕って合わせている。用の美ってこれなんじゃないの?と感じた次第。
竹の節がアクセントになっており、これが自然にしか作れない曲線と陰影を醸す。加えて、煙でいぶし、一年以上乾燥させた材で作られているから、昔の薫りがする。いろりやかまどのある暮らしのニオイが漂うのです。
構造としては古来からある「筆」の応用なわけですが、今の時代にこういうのを作る人に憧れを抱くわけです。手紙を書きたくなります。