最近、なぜかマーク金井さんが八千代の小屋に立ち寄ってくれる。いろいろな話をするが、昨日はマークさんが展開し始めたオリジナルパターについて話を聞いた。
パターは3本ある。ロフト5°、7°、9°のハイロフトシリーズだ。一般的にパターのロフトは3.5°〜4°が主流。それに比べマークさんオリジナルパターは最低ロフトが5°。もちろん、“ロフトが多いほうがメリットが大きい”ことに気づいたから、そうしているわけである。そしてハイロフトパターが市場にないから、自分で作ったということだろう。
「何がいいの?」ということについては、私自身、いろいろ試してみてもうちょっと理解してからまとめてみたいと思う。
今日書いておこうと思ったのは、このパターの売り方についてだ。現状、品薄のためマークさんのオンラインサロンの会員優先で販売されているようだが、このパターは3本セットである。ロフト7°のだけ売って!というのは現状NGだ。
【無駄なモノを買うことの意味】
では、なぜマークさんは3本セットなんかでパターを売るのか? ベストなロフトが見つかったら、残りの2本は無駄になるではないか。コスト・パフォーマンスとしてはどうなのだろう。
“使っていないパターの3本くらい、ゴルファーならみんな持ってるでしょ”とマークさんはいう。
確かに、自分もだいぶ減らしたとはいえ、まだ50本くらいあるかもしれない。職業柄資料用も多いが、大半は使うつもりで買ったものである。そのうちラウンドで使うのは1本か2本だから、かなりコスパが悪いともいえる。もともと、3本買って、2本使わないどころの騒ぎではないのである。
マークさんがこの“パター3本売り”で最も提供したいのは、たぶん「発見する楽しさ」なんじゃないかって思った。お店のパターマットで数球打ってコレ!って1本に決めるのもいいが、3本買ってしまってからじっくりと検証を始める。すべてが自分の所有物であり、どれを使ってもいい。違うのはロフト角のみ。そんな状況だからこそ精神的にも落ち着いて結果を見極めやすいのだ。
マークさんはそれくらい“パターのロフト選び”が重要だと思っているのだ。なんで?と聞くのではなく、自分で「発見する」こと自体をきっと楽しんで欲しいと思っている。自身が毎日、新発見を楽しみにゴルフをやっているからだ。
ハイロフトパターの何がいいのか? ロフト5°、7°、9°で何が違うのか? そんなことはパターマット上の数球でわかるはずがない。だから、一回全部買って、自分のペースで試し、見つけていくしかないのだ。ゴルフに行ったら居残りして、パッティンググリーンで3本をじっくり試したい。そのプロセス自体を楽しめたら一番いい。
昨日、マークさんと話していて、こんな言葉が浮かんできた。
「パフォーマンス・コスト」
欲しい性能を手に入れるために、必要な費用と時間があるということだ。必要経費、必要な時間を認めることで「結果」に集中できるのだ。もちろん、出費は少ない方がいいし、ベストが早く決まった方がいいが、ゴルフはそんなに簡単じゃないのだ。なんでも秒で理解できたり、探し物が見つかると思ったら大間違い。いろいろやらないとわからないことがほとんどである。自分で気づかないと何事も長続きしないことは言わずもがな。
2本を無駄にすると考えたらコスパが悪い。しかし、必要な1本に気づくためには3本必要と考えたら? 自分のストロークに合ったパターの姿に気づけたなら、それこそが一生ものの財産である。
ロフト5°、7°、9°で何が違うんだろう? パッティンググリーンで試すためにゴルフへ行きたくなっている(笑)