写真を見て「あぁ、アクシネットパターね!懐かしい!」と思った人も多いはず。PING「ANSER」が人気となる前、 1970年代まではこの真鍮ヘッドの「ブルズアイ」とウイルソンの L字「8802」がPGAツアーで人気のパターだった。
写真のパターは「ブルズアイ」。これ系のパターはそう呼んでおくのがベターである。キャッシュインと呼ぶ人もいるが、それはスポルディングのT字型パターのモデル名。じゃあ「アクシネット」でいいかというと、それもNG。
なぜなら、写真のパターは「アクシネット社」が扱う前の「ブルズアイ」だからだ。このため、ヘッドのどこにもAcushnetの刻印はない。昔はこれを「Pre-Acushnet BULLS EYE」として明確に区別していた。個体数が少ないので意外に高値だったのだ。加えて、「Pre-Acushnet」時代の真鍮は極めて柔らかい。だからソールの刻印などはピッチマークをトントンしてるだけで薄くなっていく。ちょっと他のクラブに当たればものすごく深い傷がついてしまう。
未使用でない限り、綺麗な「Pre-Acushnet」を見つけることは、かなり難しい。そういう意味で、刻印が読めるだけで貴重なクラシックモデルである。
今は、「Pre-Acushnet」も「ブルズアイ」も「アクシネット」も「キャッシュイン」も、古いT字型パターということで、ひとまとめである。でも、「Pre-Acushnet」時代の真鍮のフィーリングは一度体験してみて欲しいと思う。現在のウレタンカバーソリッドボールを打っても、なんとなく「糸巻きバラタ」の感触を思い出せるはずだから😅
今回手に入れたやつはたぶん、当たりクラブである。シャフトの挿し方がよく、なにしろ構えやすい。ヘッドもそこまで痛んでいないし、シャフトにサビも出ていない。送料を別にすれば2000円以下で買ったもの。格安だ。
早速、打ってみた。かつて名器と称賛されたゴルフ道具の構えやすさとフィーリングに、改めて脱帽した。このパター、CLUBER BASE 101に置いておくので、お立ち寄りの際はぜひ一度これでボールを転がしてみてほしい。名器を「感じる」ことは大事である。