自分で決める時代

調べ物があり、1989年のゴルフ雑誌をめくっていました。

平成元年の夏に出た本です。

その中にパターに関するアンケートがあり、面白かったので紹介します。

タイプ別 パター使用率 ※出典/Choice 89-9 no.50

ピン型 61.1%

L字型 10.9%

キャッシュイン(T字)8.9%

マレット型 0.5%

マレットは今のスパイダーのような形ではなく、かまぼこと言われるビリーキャスパー型、杉原輝雄パターのようなLっぽいマレットのことです。今と比べたら、どれをとっても感覚的。オートマチックと言われるようなパターは1本もないでしょう。

たまたま30年前の記事に触れ、ネオ・マレットやアンカーリングなどがもてはやされる令和のパター、パッティングスタイルの変貌ぶりを改めて感じた次第です。

そんな時代ですが、上記のような特集が掲載された最新雑誌もあります。

発売されたばかりのEVEN7月号です。

編集部から今でも使えるゴルフの古いものはないか、と相談され、

パターはむしろヴィンテージを現役で使うべきでは?と提案し、取材してもらったのです。

ポイントは、僕らアマチュアがどんなグリーンでプレーしているか、です。現在のヘッド重パターやネオマレット、長尺パターなどは米ツアーの高速グリーンに対応するためのモノだと、私は解釈しています。

なるべく「打たなくて済む」パターやスタイルです。

それに対して、我々のプレーするゴルフコースのグリーンは、そこまで高速ではありません。ならば90年代以前にツアーで主流だったパターの方が、むしろ合うのではないかと思ったりしているのです。とくに夏はコーライグリーンがありますしね。

「しっかり打てる」パターやスタイルです。

重めのグリーンでしっかり打つためには、ヘッドが軽くて飛ばないパターの方が適しているような気がします。打った分だけしっかり転がる。それが、今の最新パターにはなかなかないモノなのです。想像以上に転がる、伸びがいい!というのは、「打たなくて済む」を望む人にはいいことかもしれませんが、「しっかり打ちたい」人には余計なことだったりもするのです。

環境に適した道具と考えれば、ヴィンテージと呼ばれるパターはまだまだ現役のはずなんです。私たちは、そのヴィンテージパターが主役だった時代のツアーグリーンの速さで、プレーしているのですから。

それにしても、コレは行き過ぎ? 40年代〜50年代のスタイルですよ。

いえ。

何を使うのか。自分で考え、決める時代です。

私はこのパターが好きなので、コレでいいと思っています。

皆さんは、どうしますか?

 

 

この記事を書いた人

CLUBER

Cultivator/ Yoshiaki Takanashi
ゴルフの雑誌作りに携わって20余年。独立起業してから5年が過ぎたモノ好き、ゴルフ好き、クラフト好き、信州好きな、とにかく何かを作ってばかりいる人間です。
ポジション・ゼロ株式会社代表/CLUBER BASE TURF & SUPPLY主宰/耕す。発起人
記述は2018年現在