乱れの境界

これ以上振ったら打球が散らばり出す。たとえばドライバーで200ヤード狙いならそこそこ枠に飛ぶが、230ヤード以上を狙うと途端にバラつき始める。そつがない人は、それを「わかった上」で叩きに行ったり、飛ばしにかかったりしている。人ぞれぞれに身の丈(レベル)にあった安全な距離があり、その距離を伸ばすためには道具ではなく、自分を変えていったほうが効率がいい。身の丈を伸ばした上で優れたギアを手にすれば、そのスイッチ効果は単にギアを取っ替え引っ替えしていた時の何倍かになる可能性がある。

飛ぶほどに、滞空時間が長くなるごとに。インパクトでのわずかなズレがどんどん大きなブレ幅となっていく。高初速なるものを手にしたなら、そのぶん狙った方向にボールを打ち出す技術を身につけなければバランスが悪いのだ。

身の丈に合った距離。安定とバラつきの境界が何ヤードにあるか。練習場でチェックしてみたい。思い切り打っても枠に飛ぶことはもちろんある。問題は枠に飛ぶ確率だ。

実際のゴルフで同じティから何度も打てるわけではない。常に勝負は一回きり。練習でも、身の丈を見極めるには一回、一球に集中したい。きちんと飛ばしたい距離を設定しながら。どこまでの力感ならば枠に行くのかを把握したい。

最大飛距離を知ることも大事だが、乱れの境界を知ることはもっと大事だと思う。

 

 

この記事を書いた人

CLUBER

Cultivator/ Yoshiaki Takanashi
ゴルフの雑誌作りに携わって20余年。独立起業してから5年が過ぎたモノ好き、ゴルフ好き、クラフト好き、信州好きな、とにかく何かを作ってばかりいる人間です。
ポジション・ゼロ株式会社代表/CLUBER BASE TURF & SUPPLY主宰/耕す。発起人
記述は2018年現在