クラブ長さに興味を持とう

PINGのNEWウェッジ GLIDE 4.0を打ってきた。ウェッジというと フェース形状 溝のシャープさ グラインド/バウンスバリエーション などが気になるが、GLIDE 4.0はもちろんそうした基本設計は大きくアップデートした上で、“ライ角”にフォーカスしたフィッティングキャンペーンを行うという。

どんな進化した性能やソールも、ライ角があってなければ宝の持ち腐れになるからだ。

筆者が打った時のソールの当たり方。真ん中がスタンダードライ角。左が3度フラット、右が3度アップライトなもの。

ソールにシールを貼ってボールを打つと、接地したところが白く削れる。写真の通り、ライ角が適正ならソールのセンター付近が当たり、フラット過ぎればトゥ寄り、アップライト過ぎればヒール方向に接地点がズレていく。そして打ち出し方向も、適正ライ角なら狙いに対して真っ直ぐ。フラットなら右、アップライトなら左に飛び出す「傾向」が強くなる。あくまでも一般的に、ではあるが、私が打ってみても「傾向」はその通りとなった。

今の時代はロフト・バウンス・グラインドを選ぶことが当たり前になっているが、ライ角を調整してウェッジを使っている人がどのくらいいるだろうか? ライ角違いを打つ機会があれば、如実にその影響を感じるわけで、、、何よりもまずライ角を合わせてから、ロフト、バウンス、グラインドと決めて行った方が絶対にいい。PINGらしいNEWウェッジのプロモーションに、あらためてクラブ選びの基本、順番を気付かされた気がした。

今回は長さがだいたい決まっているウェッジでの話だから出てこないが、実際はライ角を調べる前にも決めることがある。それがクラブの「長さ」をどうするか、ということだ。長さを決めなければ、ライ角フィッティングには進めない。

有名なPINGのカラーコードチャートは、ライ角チャートとは言わない。なぜなら、同じカラーでも人によって推奨される長さ/ライ角度が変わるからだ。ゴルファーそれぞれの体格に合わせた「長さ」があり、長さにあったライ角度があるということ。カラーコードチャートの色の帯が斜めになっているのが、長さとライ角度のバランスを表している。

PINGのアイアン用カラーコードチャート。センターが標準シャフト長さ。左に行くほど短く、右に行くほど同じカラーでもシャフトが長くなる。

 

では、皆さん。これまで「長さ違い」のクラブを比較しながら打ってみたことがあるだろうか? そんな経験、なかなかないのではないかと思う。もちろん、使っている中で短く切った!ということはあるだろうが。。

クラブの振りやすさや扱いやすさを決める大事なファクターが「クラブ長さ」である。せっかくカチャカチャ機能が一般化しているのだから、シャフトも同じ銘柄の長さ違いを試せるようになったらいいなと思う。長さが変われば同じシャフトでも別物に感じられたりするはずだ。

フィッティングや調整の方法はいろいろあるが、細かい角度に踏み込む前に「長さ」に興味を持っていただきたい。手っ取り早いのは短く握って打ってみること。同じクラブなのに、それだけで振り心地や弾道が変わる。「長さ」は最も大事で、違いを実感しやすいものである。

 

この記事を書いた人

CLUBER

Cultivator/ Yoshiaki Takanashi
ゴルフの雑誌作りに携わって20余年。独立起業してから5年が過ぎたモノ好き、ゴルフ好き、クラフト好き、信州好きな、とにかく何かを作ってばかりいる人間です。
ポジション・ゼロ株式会社代表/CLUBER BASE TURF & SUPPLY主宰/耕す。発起人
記述は2018年現在