長は短を兼ねない

超ロングと呼ばれるティーペッグを使っている時期が長かった。

ドライバーヘッドが大きくなっていったし、ジャンボさん以降ハイティーアップするのが飛ばしの裏技みたいな感じになっていたし(笑) いつしか超ロングティーペッグを好み、パー3ホールでもその長いのを地中深く刺して使うようになっていた。

大は小を兼ねるというし、ドライバー合わせのティーを持っていればアイアンショットでも使えるでしょ、と思っていたのだ。しかし、所詮はアマチュアだ。万度、ヘッドを綺麗に入れていくことができない。煽り打ちみたいになって刃先からインパクトを迎えてしまうことも多々ある。そうすると、とくにロングアイアンでは深く刺さったティーペッグが結構な抵抗に感じる。ティーを打ち抜けずインパクトでヘッドが突っかかってしまう感じがするのだ。

それが嫌なので、いつしか折れたティーペッグをとっておきパー3ではそれを使うようにした。そうするとインパクトでも抵抗がほとんど感じられなくなった。実は内心「短いティーペッグなんてカッコ悪い」とさえ思っていたけれど、長く生き残っているモノにはちゃんと存在理由があるんだな、と考えを改めるようになった。

インパクトでヘッドが突っかからないということは、折れにくいということだ。超ロングティーは打ち負けまいと頑張ってしまうので、アイアンで打つと一発で折れてしまった。ショートティーは踏ん張らない。だから抵抗も少なく、折れずに、抜け飛んでくれる。

ティーペッグは長いのと短いのを使い分けるべき。今はそう思う。

オリジナルで作った無垢のティーペッグは長さ60mmと40mmの2サイズ。40mmがアイアン/FW/UTでティーショットする時用のショートサイズだ。ドライバー用の60mmは超ロングタイプを使っている人には短めに感じる長さだと思うが、アマチュアの場合、ボールの下に空間があるほど打点のバラツキが大きくなるような気がする。また、ドライバーの重心設計も進化していて、昔みたいに下からアッパーに入れてフェース上の有効打点エリアで打たなくてもバックスピンを減らすことができる。フェースセンターでヒットする意識ならば、そこまでティーアップを高くする必要はないのである。

大型ディープフェースに合わせてどんどんハイティーアップにする人も多いが、個人的にはティーが低くても上がるし、ロースピンなのが今どきのドライバーだと信じている。ハイティーアップにする理由は、フェース上目で当てやすくするため。高いティーの上に乗ったボールに合わせてヘッドの軌道を変えてしまっては、結局はフェース下の高スピンエリアで打ってしまうことになる。それが「ボールの下に空間があるほど打点のバラツキが大きくなる」理由かもしれない。

ティーアップの高さで結構弾道やバラツキが変わる。いろいろやってみるとよいと思う。

この記事を書いた人

CLUBER

Cultivator/ Yoshiaki Takanashi
ゴルフの雑誌作りに携わって20余年。独立起業してから5年が過ぎたモノ好き、ゴルフ好き、クラフト好き、信州好きな、とにかく何かを作ってばかりいる人間です。
ポジション・ゼロ株式会社代表/CLUBER BASE TURF & SUPPLY主宰/耕す。発起人
記述は2018年現在