「淡々と小さなことを正しく積み重ねていこう。ミスしても正しいエリアに外すなら大丈夫」
一打、一打、一歩、一歩。失敗をも描きながら進む。
奇跡と呼ばれるものが、その積み重ねの先にあった。
最終ホール。第2打目、第3打目。明らかにうごきが、表情がこわばっていた。
長いブランク。それは仕方のないことだった。
最後はひとつ落とした。勝者と敗者の差はたったの一打だった。
14年のブランクを埋めたのは、たったの一打だったのだ。
1ストローク。
終わってしまえば、誰も追い越すことができない大きすぎる差。
どうやってうまく打つ? どうやって遠くへ飛ばす?
つい、打つことばかりに興味を抱いてしまうけれど、
どうやったら、無駄に打たなくて済むか。
それを考えながら一打ずつ進むのがゴルフなのだと、改めて教わった。