頭でっかち、手元は見えず!?
パターグリップの記事を書くために、改めて古いPINGパターを手に取った週でした。
左手部(右打ちの場合)が反るようにカーブした、いわゆるピストルタイプのグリップです。これを握ると自然に左手首が伸びて、不要なリストワークが抑えられるようになります。安定したストロークのために、カーステン・ソルハイムが考えた発明品ですね。
このパターグリップの源流、発想の原点はきっと、1960年代前半のREDWOOD CITY時代にあると思われます。カリフォルニア州のREDWOOD CITY。現在のアリゾナ州スコッツデール、及びフェニックス周辺にカーステン夫妻が移り住むまで、ガレージでコツコツとパターを手作りしていた場所です。その時代に作られたパターにこんなのがありました。
Model B5C
シャフト全体がぐいっと反るようになっていますね。このパターを考えた時点で、グリップに倒れるような角度が付いていると安定したストロークがしやすいことはわかっていたのです。REDWOOD CITY時代、つまり1950年代後半〜60年前半までの間にです。
でも、このシャフトの曲がり具合は、ルール上NGであるとUSGAからジャッジされたのだそうです。だから、「シャフトがストレートでも同じような効果が得られるように、オリジナルのピストルグリップを開発したのだ」と、現・PING会長のジョン・A・ソルハイムさんは言っていました。みんなANSERヘッドのことばかりを聞くけれど、同じようにグリップもPING最大の発明品といえるのだよ、と。
ヘッドばかり見ていたって、パターはうまくならない。実は、手元の在り方がヘッドの動きを決めるのである。
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