カーステン最大の発明品。

70年代はやや太めのPINGオリジナル・プロオンリー(左)。80年代になると完全オリジナルのPP58(右)が完成。

頭でっかち、手元は見えず!?

パターグリップの記事を書くために、改めて古いPINGパターを手に取った週でした。

1965 PING ANSER by KARSTEN

左手部(右打ちの場合)が反るようにカーブした、いわゆるピストルタイプのグリップです。これを握ると自然に左手首が伸びて、不要なリストワークが抑えられるようになります。安定したストロークのために、カーステン・ソルハイムが考えた発明品ですね。

このパターグリップの源流、発想の原点はきっと、1960年代前半のREDWOOD CITY時代にあると思われます。カリフォルニア州のREDWOOD CITY。現在のアリゾナ州スコッツデール、及びフェニックス周辺にカーステン夫妻が移り住むまで、ガレージでコツコツとパターを手作りしていた場所です。その時代に作られたパターにこんなのがありました。

出典/The PING Identification and Collector’s Guide by Dalton Daves

Model B5C

シャフト全体がぐいっと反るようになっていますね。このパターを考えた時点で、グリップに倒れるような角度が付いていると安定したストロークがしやすいことはわかっていたのです。REDWOOD CITY時代、つまり1950年代後半〜60年前半までの間にです。

でも、このシャフトの曲がり具合は、ルール上NGであるとUSGAからジャッジされたのだそうです。だから、「シャフトがストレートでも同じような効果が得られるように、オリジナルのピストルグリップを開発したのだ」と、現・PING会長のジョン・A・ソルハイムさんは言っていました。みんなANSERヘッドのことばかりを聞くけれど、同じようにグリップもPING最大の発明品といえるのだよ、と。

ヘッドばかり見ていたって、パターはうまくならない。実は、手元の在り方がヘッドの動きを決めるのである。

 

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この記事を書いた人

CLUBER

Cultivator/ Yoshiaki Takanashi
ゴルフの雑誌作りに携わって20余年。独立起業してから5年が過ぎたモノ好き、ゴルフ好き、クラフト好き、信州好きな、とにかく何かを作ってばかりいる人間です。
ポジション・ゼロ株式会社代表/CLUBER BASE TURF & SUPPLY主宰/耕す。発起人
記述は2018年現在