Scotland’s Gift

この景観性に怯えず風をよみランディングエリアを絞る。深呼吸し力まずスイングする。それは上級者だけが愉しめる世界観かも知れない。

ゴルフがスコットランドで育ったのは覆らない史実。米国でもそれなりに熟成されているが、日本はどうだ。

民族性の違いも気候風土の違いもあるだろうが、日本でゴルフが始まってからどのくらい熟成しただろう。倶楽部とコースの違いを認識しない名門に憧れる風潮は相変わらずであり、単調な林間コースが相変わらず人気である。ティーグランドに立ったとき無意識にドライバーがふれるホールにどれだけの価値があるのだろうか。個々人の最大飛距離を試すのがティショットが求めているものでは無いだろうと思う。

最終ターゲットは拳がやっと入るほどの小さな穴であり、そこにどう寄せていく、そのための一打であることを忘れてはいないだろうか。飛距離だけで優劣をつけるコースは戦略的でない。頭脳も要求するのが本質的な戦略性であり、それが世界標準の近代ゴルフゲームである。

 

この記事を書いた人

八和田徳文

Cultivator/Norifumi Yawata
ゴルフの仕事に携わって四半世紀。ゴルファーの一人として、ゴルフコースデザイナーの一人として、ゴルフに纏わる想いを綴ります。肩の力を抜いて愉しめばゴルフはもっと面白いはず。
ゴルフコース設計家・ゴルフ文化愛好家・芝生管理アドバイザー