振り切ってナンボ

非常識。

そんなコピーをつけて PRGR egg ブランドは始まった。07年にegg IRONS、08年にegg Spoonがデビューして大きな話題となった。

非常識とは、前例に固執しないという意味。どこまでもパフォーマンス優先。そのための技術をゼロベースで考えていく。ヘッドの形も大きさも打球音さえも。常識はずれに飛ぶんだから多少は我慢してよ。慣れてね、と言わんばかりのとんがったブランドである。

2024年3月に出る「SUPER egg evolution」のドライバーは、ヘッド体積500cc(ゼネラルルール不適合)、いわゆる反発係数の値もゼネラルルール不適合。ヘッド重量は189gと超軽量だ。

ビュンビュン振れて、どかーんと飛ばす。大砲のようなイメージが浮かんでくる。残念ながら私のヘッドスピードではビュンビュン振って気持ちよくボールを打つことは許されない。ヘッドが割れる可能性があるからだ。対象はヘッドスピード40m/s以下の人、である。

よくヘッドスピードが速い人がスピードを落として打ってみることがあるが、それで本当のクラブの性能を見極めることはたぶん難しい。ゴルフクラブは減速して使うことを考慮して作られていないからだ。

こうした、とにかく飛ばしたい人向けのコンセプトゴルフクラブを、ドンズバのターゲットゴルファーが打った時にどのような感想を話し、感激を表現するだろうか。ルールが本当にパフォーマンスを制限することに繋がっているのだろうか? そこにこそ興味がある。

個人的には、であるが、189gというヘッド重量の時点でビュンビュン振れる感じにはなるのではないかと思う。その結果、飛距離アップする人も出てくると思う。ヘッド体積も、反発係数も、クラブを軽快に振り切ることとは関係のない要素である。ビュンビュン振らせるのは、ルールに制限されていない「軽ヘッド」なのではないだろうか。ビュンビュン振れる、振り切れるから、高反発効果も活きるのではないだろうか。

開発思想も、出来上がったゴルフクラブも「振り切って」ナンボ。

説明を聞きながら、そんなことを考えていた。

コンセプトクラブは、セットで使うのがシンプル。SUPER eggにはドライバー、FW、UT、アイアンがラインナップ。詳しくはこちら

この記事を書いた人

CLUBER

Cultivator/ Yoshiaki Takanashi
ゴルフの雑誌作りに携わって20余年。独立起業してから5年が過ぎたモノ好き、ゴルフ好き、クラフト好き、信州好きな、とにかく何かを作ってばかりいる人間です。
ポジション・ゼロ株式会社代表/CLUBER BASE TURF & SUPPLY主宰/耕す。発起人
記述は2018年現在