同質化

ミスに対する許容性を追い求め、飛距離アップにこだわっていく。製品開発のゴールが同じであれば、出来上がる製品も似かよってくるのは当たり前だ。成熟すればするほど、ゴールにたどり着くための道筋が明確になっていくからだ。

やさしさ、飛ばし、ネバースライス。開発的なゴールを決めているのはゴルファーの願望だ。変わらぬ使い手の願望が製品同質化の源になっている。

「最近、同じものしかないんだよね」って嘆いてみたりするけど、では、おまえは他にどんなのが欲しいのか?と、秋の夜長に自問自答してみたい。望みが明確になれば、足りない道具が見えてくる。そういう道具を手に入れて「結果」が変われば、もう一段ゴルフを好きになれるはずだ。

確かに昔のゴルフブランドには個性があったけれど、それはゴールまでの道のりがハッキリとは見えていなかったからだと言える。自由というよりも、手探り。わかっていなかったからこその多様性だった。30年以上をかけて市場は成熟、特定のニーズを満たすための方法論は確立された。それでも進化という名の製品開発は続けられる。そしてそれを同質化と呼ぶ。

同質化というと後ろ向きに聞こえるかもしれないが、それは平均的にゴルファーニーズを満たせるようになっているということ。どれをとっても完成度が高いということである。

そんな極みのゴルフクラブでも到達できない結果(ベスト)を目指すのであれば、答えは明白。自分のスキルを上げていくしかない。ボールをコントロールするのはゴルファーである。よいゴルフ道具とはその邪魔をしないモノである。

この記事を書いた人

CLUBER

Cultivator/ Yoshiaki Takanashi
ゴルフの雑誌作りに携わって20余年。独立起業してから5年が過ぎたモノ好き、ゴルフ好き、クラフト好き、信州好きな、とにかく何かを作ってばかりいる人間です。
ポジション・ゼロ株式会社代表/CLUBER BASE TURF & SUPPLY主宰/耕す。発起人
記述は2018年現在