ただ護るために

野に生える葦をきりだして、束ね、運ぶ。
朽ちていない去年の葦は再利用、そうでないものだけ今年の葦にとりかえる。

野に生える葦でさえ無駄に切り取ることはせず、必要な分だけ拝借する。 人々が踏み荒らすと生えづらくなる半夏生を護る。 そんな草なんて必要なの? という人もいるだろうけれど、原風景を未来に残す、という目的のために手弁当でおじさんは柵を拵える。

 

誰かに踏みつけられないように。春には小さな沢山の命が生まれてくることだろう。

何をしているの?的な眼差しに躊躇うこともなく、一人静かに寒空の下おじさんは柵を拵える。 幸いにして、去年より暖かいけれど、それでも指先は冷たいだろう。残念ながら今年もお手伝いすることかなわなかったけれど、来年こそは、と思う。

初夏の半夏生

 

この記事を書いた人

八和田徳文

八和田徳文

Cultivator/Norifumi Yawata
ゴルフの仕事に携わって四半世紀。ゴルファーの一人として、ゴルフコースデザイナーの一人として、ゴルフに纏わる想いを綴ります。肩の力を抜いて愉しめばゴルフはもっと面白いはず。
ゴルフコース設計家・ゴルフ文化愛好家・芝生管理アドバイザー