この螺旋階段のある昔のハウスの佇まいが好きだった。理由はいろいろあるけれど、簡単便利を求める人間の性には抗えず、いまは無きハウス。窓を開け、海風にあたりながら食する銭函ラーメンは絶品だった。
細いタイヤの手押しカートを知るゴルファーはもう少なくなっただろうか。マスター室前でキャディバックを計量し、規定重量の超過料金を払った時代。
簡単便利になりモノ的には豊かになったかもしれないけれど、そのぶんだけ思いやる心の熱量が冷めてきたと思う。時代は遡れないけれど、不便だったころの暖かかった気配り心配りを懐かしく思う、秋の始まりの頃。