真実はどこにあるか。

NIKE GOLF “THE OVEN”が開所した当時、エントランスに飾られていたディスプレイに名言が記されていた。

埋もれさせたくない言葉。

Mr.Hogan said many times.

”I dug my game out of the dart”.

He constantly referred to the perfect relationship of hosel, face, juncture, eye’s and sole. The way these factors combine in a great irons has always been and will remain “art”.

写真奥/ベン・ホーガン プレシジョン 中/ナイキ Vrプロフォージド 手前/コブラ プロフォージド

ベン・ホーガンの教えを、弟子であるトム・スタイツが回想したときの言葉である。

ホーガンは常に「地中に真実があるのだ、それを見落とすな。」と説いていたという。土の中でアイアンヘッドがどう動けばよいのか。そのことを考えればまずソールが決まり、フェースが決まり、ホーゼルが決まる。そして、それぞれをどうつなぐべきかのラインが自然に見えてくる。そうして生み出されたアイアンは、常に芸術的な美しさを放つ。その基本はいつの時代でも変わらないのだと。

ナイキゴルフはゴルフクラブ作りをやめ、取材などでトム・スタイツに会うこともなくなったが、彼から聞いたこの言葉だけは、たぶん死ぬまで忘れないと思う。それくらい感銘を受けたのだ。

テーラーメイドに移籍したタイガー・ウッズのオリジナルアイアン製作に、元ナイキゴルフのベテランエンジニア、マイク・テイラー(Artisan Golf)がアドバイス協力したといわれている。彼もまたベン・ホーガンカンパニーで、ホーガンや伝説のクラフトマン、ジーン・シーリーの薫陶を受けて腕を磨いた人物だ。

アイアンの決め手は、ソールである。

もちろん、ウェッジもそうだ。

優れたプレーヤーは、優れたクラフトマンは、そのことを知っている。

そんなことはアマチュアにはわからない?

そんなことはない。

その道具を見て、美しいと思ったかどうか。

それが答えなのだ。

 

この記事を書いた人

CLUBER

Cultivator/ Yoshiaki Takanashi
ゴルフの雑誌作りに携わって20余年。独立起業してから5年が過ぎたモノ好き、ゴルフ好き、クラフト好き、信州好きな、とにかく何かを作ってばかりいる人間です。
ポジション・ゼロ株式会社代表/CLUBER BASE TURF & SUPPLY主宰/耕す。発起人
記述は2018年現在