八和田徳文 
野兎の掘った穴が風雨にさらされ広がり
その恩恵にあずかるのは家畜の羊
そこに呑気に球を打ちこむゴルファーたち
凡そそれが自然のサンドトラップだ
ハザードのありそうな雰囲気を感じられるのか
ハザードの存在は何を意味するのか
近寄ることのメリットがあるのか無いのか
そう推測するのがゴルフの醍醐味のひとつであろう
風も読まず景色に感じず
ただ球を打つだけならゴルフに非ず
きっとそれは
あたらしい別のゲームになっている
危機管理も攻略も
考えたことが実現できたとき
言葉にならない喜びがある
人間と家畜と自然との共生が生み出した
伝統的なゴルフは限定的であり
それを楽しむものは非常に少なかろうと思う
それでもゴルフが生まれ育った国は
頑なに守り続けている
神が与えてくれた純朴なゲームを
心から愛しているようだ
