幼少期は毎日のように釣りを愉しんでいた。大潮小潮も満潮干潮も、月を見たりしながら辺りをつけていた。餌にするヌマエビもミミズもゴカイも自然から調達し、仕掛けも自分で拵えていた。手持ちの軍資金がどうこうでなく、そこにも釣りの愉しみがあるからだ。潮が満ち始めるころはあの岩場、夕暮れの落とし釣りはあそこの堤防のした、メバルはあそこがいい、水温低めだから浮き下はこうだな。経験と知識と推測とを織り交ぜながら仕掛けを用意するのが釣りの醍醐味のひとつ。釣果はそれなりでいい。
ゴルフもそんなんでいいんじゃないのかな、この頃そう思う。
ゴルフが始まった頃は、グリーンの穴から抜いた砂を盛り上げて、グリーンわき数歩のところにちょいと盛り上げてボールをのせていた。ディボットを作ってしまうからボールを地面から少し浮かせたのが始まりだ。そのうち誰かが考えたティペグが当たり前になったのだけれども、毎回折れたってたかがしれている。これくらいなら作れるかもね、なんてふと思う。
ボールをちょっと浮かすためだけに大きく育った木を倒し、削る必要があるのだろうか。沼で鮒を釣るときに代用した竹の浮き、そのくらいの感じなら、そこの小枝でも用は足りるのかもしれないと、ふと思う。そういう愉しみ方もあるかもしれないね。