スリッパから降ってきた。②

苦しみのない産みの楽しみ。

足先でプラプラさせていたスリッパから着想したオリジナル目土バッグのアイデア。最初のデザインは今見てもとてもかわいい感じだと思います。シュッとしていて。

第1号サンプル。まさに巨人のスリッパに紐をつけたような感じです。これに実際に砂を入れてスコップを出し入れすると、やはり問題があったのです。かかと部分にスコップのバットエンドが当たって使いにくい。加えて前側のハンドル(ベルト)を持っても水平にならない。ショルダーベルトも短くて、肩にかけていたままでスコップ作業はできませんでした。見た目はイメージ通りでしたが、機能的には20点くらい。最初はこんなものです。

第4試作(右)をみると、だいぶ完成品に近い形になっています。かかと部分をバッサリなくし、前側のハンドルの付け方、位置にもかなり変化が見られます。左のハンドルなしモデルを使い、庫内にお米を入れ、仮のハンドルを細かく位置変えながら、水平になるポイントを探っていきました。

その検証で得られたハンドル位置で縫製し、実際に砂を入れてハンドルを持ってみると!口元が横を向き、スコップ作業が劇的にやりやすくなることが確認できました。樹脂板の効果もあってスコップもうまいこと滑ってくれます。

これは第3試作くらいのものでしょうか。思いつきから始まったオリジナルアイテムの制作は、当然のことながら試行錯誤の連続で、結局、完成までに1年以上の時間が必要でした。よく産みの苦しみといわれますが、モノ産み出す作業はきっと、楽しいばかりなのではないか、と思います。モノが産まれたあとには、“売りの苦しみ”が待っているわけですが(汗)

作って終わりでよければ、こんなに楽しく、幸せな作業はないように思います。

(次回は、ネーミングのおはなし)

この記事を書いた人

CLUBER

Cultivator/ Yoshiaki Takanashi
ゴルフの雑誌作りに携わって20余年。独立起業してから5年が過ぎたモノ好き、ゴルフ好き、クラフト好き、信州好きな、とにかく何かを作ってばかりいる人間です。
ポジション・ゼロ株式会社代表/CLUBER BASE TURF & SUPPLY主宰/耕す。発起人
記述は2018年現在