コースデザイン関係の知人が持ってきてくれた札幌GC輪厚Cで剪定された「オンコ」の枝。
木のたまご、木の「栗」と意外に作業を楽しませてくれる「イチイ(オンコ)」の廃材である。
GW中に相談を受けた。“こういう廃材でグリーンフォークの柄を作れないか? 作ってくれる先にアテはないか?”ということだった。技術的にできる先はたくさんあると思うが、たいてい「やらない」だろうなと思った。理由は単純でやっても儲からないからだ。
モノの値段には相場がある。いくら作るのに手間暇がかかっていても、ゴルファーはグリーンフォークに十万円は出さない。2000円くらいまでだったら欲しいけどなぁ、という感じだろう。それだと本職の方に頼むことはできない。工賃だけで予算オーバーだ。最終価格に上限がある以上、できるけどできないことが多いのだ。
量産できるかどうかはおいておいて。実際に作ってみて、意外にいいモノだと思った。使いやすいし、なによりも愛着がわく。
愛着。
第一に素材にまつわるストーリー(ゴルフコースで出た廃材)がある。そして、自分で作ったという事実がある。最後に使いやすそうだと思う機能面。この3点がそろっているからこそ、愛着は生まれる。出来たモノを「買って」きて、このモノにここまで愛着がわくことはないだろう。
モノを買って、使う。それもいいが、モノを「作って」、使うと別の感情がプラスされる。それが何かの道具なら、使ってみたくなる。例えば、私も作ってみたグリーンフォークを使ってみたくて仕方がない。
グリーンフォークに愛着がわくと、使いたくなるのだ。めんどくさいピッチマーク補修をやりたくて仕方がなくなる。そういう変化を起こせる可能性がある。1時間くらいで完結できるマイ・グリーンフォーク作りのWork Shopをゴルフ場でやったらよいかもなぁと思ったGW最終日だった。