「リスクを取れ」「チャレンジしよう」と多くの成功者は同じように口をそろえて言う。その通りなのだが実際はどれだけの人が行動に移すのだろうか。
「失敗したら誰が責任を取るのか」「どのくらいの売り上げがそれで見込めるのか」「失敗して全てを失うならやらない方がマシだ」という否定的な意見が現在では幅を利かせているのではないだろうか。これも一理ある。分からないことではない。
ひょっとしたら現代の若者は概ね保守的なのは、このような意見を言う人に逆らってまでもエネルギーを使うことを無駄な行為と思っているからだろうか。実績もないのに反論することが難しいからだろうか。
現実、全ての人がこのような考えの中で行動を起こしたら大変なことになるかもしれない。多分そうだろう。成功者は10%の人と言われているから30%くらいの人が行動を起こし、最後までやり遂げて10%の人が成功を掴んでいることも事実である。
しかし、成功する人はただ単にリスクをとって果敢に挑戦しているだけではない。むしろ成功するとかしないとかという次元の考えではなく、「こんなものを作ってみたい」「こんなことを実現させたい」という強い願望があり、それを実現させたいという熱い想いを持っている。実現させたいから緻密に計画を立て失敗を恐れず邁進しているのだ。
常に人々が欲しがるようなものを作ってきたイリー・キャロウェイ氏は、
”Take a Risk”
という言葉が好きで自ら率先して実践してきた。
社員にもリスクをとってチャレンジすることの意義を訴え”Take a Risk”をこのような言葉で説明していた。
経験していない分野こそ、時代を切り開く創造性、新規性、価値などが潜んでいる。だからそれを得るためにチャレンジする。しかし、やるからには十分準備した上で行動する。
世の中をワクワクさせる魅力のあるモノを考えつき、それができる可能性があるなら失敗することを恐れずにチャレンジする。誰も気付かず、誰もやってもいないやり方で良いものができるなら、自然と体の内側からエネルギーが出てくるからだ。リスクの裏側は失敗ではなくチャンスなのだから、と考える。
そして、”Take a Risk”と対の言葉としてこの言葉を合わせてよく使っていた。
”Hit till Happy”<成功するまで何度でもやる>
新しいやり方は誰もやっていないので失敗はつきものである。失敗するごとに何かを得る。そうやりながら目標に近づいていく。一歩一歩確実に。
本田宗一郎氏も失敗と成功、リスクをとって挑戦することに対してこのように言っている。
「失敗と成功は裏腹になっている。みんな失敗を恐れるから成功のチャンスも少ない。日本人は、失敗ということを恐れすぎるようである。どだい、失敗を恐れて何もしないなんて人間は、最低なのである」
「成功者は、例え不運な事態に見舞われても、この試練を乗り越えたら、必ず成功すると考えている。そして、最後まで諦めなかった人間が、成功しているのである」
そしてこうも言っている「 新しいことをやれば、必ず、しくじる。腹が立つ。だから、寝る時間、食う時間を削って、何度も何度もやる」と。
2人の考え方、全く同じ目線に立ったものだと思いませんか?
成功する人とそうでない人の大きな違いは確固たる思想があるのか、何かを創り出す時にはそれに基づいた行動をとっているのか、どうか。そして、そのために周到な準備、行動の結果に対する分析と考察を経て、次の失敗のためにまた行動を起こす。失敗を目標達成の一つのプロセスと考えることができるかどうかだ。
2人の大先輩のこれらの言葉はある意味「成功のための方程式」とも言えるもので、目標達成において大切なことは途中で諦めないことなのである。