本物のセルフプレイの薦め。

昨年ゴルフトライアスロンという競技を立ち上げましたがその目的の一つに、「ゴルフプレイの原点復帰」があります。

プレイの原点復帰とは自分のバッグを自ら担いだり、手引きのカートもしくは電動カートに乗せてプレイする方法です。現在、これができるのは河川敷のパブリックコースかジュニアや大学の試合だけです。

乗用のゴルフカートは確かに便利でプレイを楽にしてくれるものですが、ほとんどがカート専用道路を使用するために、本来プレイヤーがやるべき重要な行いができず、曖昧なクラブ選択を余儀なくされ、ショットを打つための正確な判断ができないからです。

ゴルフはただボールを打ってグリーンに到達するゲームではなく、ボールを打つ前、そして後までが全てゲームの一環だからです。5時間ゴルフ場にいるとすれば、ショットする時間は10分もないでしょう。ショットをするための効率としてカートを使用することはゴルフの楽しみ方の重要な部分をかなり失ってしまっているのです。

本来はボールを打つ前段階として、やるべきルーティーンが必要です。ボールの後方から進み、ボールのライを確認し、風や湿度、狙うべき方向の状況などを判断した上でショットのイメージを掴み、クラブ選択をしてショットをする。

ショットの後は、ショットがイメージ通りなのか、そうではないのか。そうであればそれはなぜか、など考えながら、周りの状況や空気の流れ、雲の動きなど自然を体で感じながら次のショットに備えて歩き始める。これの繰り返しがゴルフゲームの原点だと思うからです。

だからゴルフは知的で楽しいゲームなのです。

スコットランドのリンクスでは手引きカートでのプレーがまだまだ主流。写真/高梨祥明 @St.Andrews Old Course

人によって楽しみ方は様々で、どのようなやり方を取ろうとも他人に迷惑をかけないもので、楽に仲間と楽しくプレイできるならどのようなやり方をしようが関係ないことだ、と言われてもそれはそれで良いことですが、やはりゴルフの本来のあり方を知っているのと知らないのでは、もったいないと思うからです。でも一つ声を大にして言いたいことは、そのようなゴルフをする自由をゴルフ場はプレイヤーから取り上げないで欲しいと切に思います。

乗用カートを利用したい人は利用すればよく、自分で担いだり、カートを引っぱりしたい人にはその自由を認める度量がゴルフ場に欲しいからです。

良いサービスとは「顧客が期待する、それ以上のことをする」ことだと信じます。

まだ、やったことのない人はぜひ一度はやって欲しいと思います。ゴルフの楽しみ方の幅を広げてくれることに気がつくかもしれません。それから判断すれば良いのでは、と思います。

文中表記、表現は筆者原稿のママ(編集部)

この記事を書いた人

松尾俊介

松尾俊介

Cultivator/ Shunsuke Matsuo
キャロウェイゴルフで20年、卒業して4年。今はフリーランスとして活動していますがそのメインテーマは「日本のゴルフを面白くする」です。
長年ゴルフと向き合ってきた中で、最近感じてきたことですが「ゴルフは言語と同じで便利なコミュニケーションツールのひとつ、そう「人と人を結びつける、理解し合う優れた道具」だと強く思うようになりました。
そのような視点で振り返ると、いろいろな人とゴルフをするたびにその道具の恩恵を受けながらここまできたんだなと感じるようになりました。
であれば、皆さんより少しだけより多くの時間と経験を積み重ねた分だけ、感じたこと、考えたこともあり、それらをまとめながら、日本のゴルフをもっと面白くして、ゴルフの楽しさを伝えたいな、次世代の人のために。
自身の終活の一つとして…