ソフト化は手段

明らかにハイスピンで飛距離をロスしているなぁと感じたので、同伴プレーヤーに「プロV1xレフトダッシュ」を渡してみた。本当にレススピンタイプのボールなのか、自分以外でも試してみたかったのもあり、で(笑)

結果はドンピシャだった。吹き上がり弾道からドーンとした放物線に。それまでどっこいだった飛距離も30ヤードくらい置いて行かれてしまった。もともとそれくらい違って当然の振りであり、インパクトである。「もったいない」ことになっていただけだ。

彼はドライバーを今最も売れているドライバーに買い替えていた。昨日はそのドライバーでの初ラウンド。期待値、下馬評は高いモデルなのに、使ってみたらそれほどボールは前にいかないし気持ちよさもない。早めにメルカリで売ろうかな、、とさえ言っていた。

だからちょっと「このボールでやってみて」と声をかけたのだ。

最近、ゴルファーはゴルフクラブに夢を抱き過ぎなのでは?と強く感じる。あの道具にどれだけ大きなパワーがあると思っているのだろうか。

対して、ゴルフボールには興味が無さ過ぎる。飛んでいくのも、スピンがかかって止まるのもゴルフボールなのに、クラブさえ何とかすればもっと飛び、もっと止められると思っている。

そんな風に見える。もちろん、そうでない人もいらっしゃることも重々(笑)

ゴルフクラブは、常に飛んでいくボールを見て作られている。

ボールがハイスピン過ぎた時代は、ロースピンになる機能をクラブ開発に盛り込んだ。ボールが曲がりまくるから、曲がりを抑える設計が始まった。高初速化のために硬いボールが増えたから、パターのインサートやミーリング深さのバリエーションが増えた。

ゴルフボールがゴルフクラブの開発の方向を決めてきたのだ。

わからないけど、、、今はクラブに合わせてボールが作られるようになっていることもあるように思う。弾きが強いクラブが多いから、ボールにはやたら「ソフト」さが求められるのかな、と。

ソフトというのはとても危険なワードである。

ゴルファーはきっと今のゴルフクラブで打つと弾きが強く感じ過ぎるからソフト、なんか音が大きいからソフトなボールがいい!と言っているだけであって、本当に軟らかいボールを求めているわけではない、可能性もある(笑) 硬いからソフトといい、ソフト過ぎれば硬い方がいいというだろう。結局、求められているのは「ちょうど」な感じ。実際は硬くても、そう感じなければたぶんOKだ。

道具のソフト化は手段であって、目的ではない。目的はあくまでもイメージ通りのフィーリング。そのためにあるボールの選択肢だ。

そんな風に伝えるように心がけていきたいと思う。

 

 

 

 

この記事を書いた人

CLUBER

Cultivator/ Yoshiaki Takanashi
ゴルフの雑誌作りに携わって20余年。独立起業してから5年が過ぎたモノ好き、ゴルフ好き、クラフト好き、信州好きな、とにかく何かを作ってばかりいる人間です。
ポジション・ゼロ株式会社代表/CLUBER BASE TURF & SUPPLY主宰/耕す。発起人
記述は2018年現在