カスタマイズ

先端くりぬきのバットと普通のバット

シンプルな形状の中に振り味をコントロールするアイデアが詰まっている。野球のバットは面白い。

先端が少しくり抜かれているバットは、そのぶんバットエンド(手元部分)のボリュームが大きかったりする。

左が先端くりぬきバット。

手元が重たい。つまりカウンターバランスということだ。

普通のバットのバランスポイントはこの辺。Air Seasonsというロゴのあたり。

 

では、先端くりぬきバットの場合はどうだろうか?

ちょっと水平になっていないが、ちょうどGマークのところにバランスポイントがありそう。

好奇心でバランスを取ってみて「この転写マーク、適当につけてるわけじゃないんだ」と感動を覚えた。マーク自体はGENERALというメーカーのロゴなのだろうが、これをGRAVITY(重心)という意味で使用しているのだからオシャレさんだ。

では、このバットの形状によって、バランスポイントがどれくらい変わっているのか?

再確認しておくと、一般的なバットはAir Seasonsのろごあたり、先端くりぬきはGマークの付近にバランスポイントがきている。それを踏まえて下の写真を見てみると、

先端くりぬき(下)は5センチくらい手元重心なことがわかる

道具というものは、よくよく考えられているんだな、と感心する。しかも、上が良くて下がいいわけではない。使う側のニーズや好みによって、道具は常に形を変えている。単一素材でシンプルな形状しか許されない道具ほど苦心の痕が見えて興味深い。そういう道具は愛おしい。

カスタマイズ。

多様化というのはそういうこと。人は人、自分は自分と認めること。先端くりぬきがみんなにとっていいわけではない。ヘッドヘビーが誰にとっても振り重たいわけでもない。これを振って自分はどう感じたか。関心を寄せるのはそれだけでいい。

ゴルフクラブも同じく。自分が「振る」道具である。

この記事を書いた人

CLUBER

Cultivator/ Yoshiaki Takanashi
ゴルフの雑誌作りに携わって20余年。独立起業してから5年が過ぎたモノ好き、ゴルフ好き、クラフト好き、信州好きな、とにかく何かを作ってばかりいる人間です。
ポジション・ゼロ株式会社代表/CLUBER BASE TURF & SUPPLY主宰/耕す。発起人
記述は2018年現在