タイムラグ

今、意識的に歩いているのは「足腰が衰えないように少しは歩かないとな」と思うようになるであろう、少し先の自分のためである。歩くのが苦痛になってから「歩かないと!」と思っても、体がついていかないだろうと思うのだ。だからこそ、まだ動ける今のうちに、歩くことを普通のことに、毎日の楽しみとなるように仕向けておきたいのだ。

趣味のゴルフのことも、同じように考えている。

ひとつは、飛距離に頼らないスコアメイクの楽しさ。スコアだけではないゴルフの楽しさに今のうちから気づいておく。飛距離のいらないコースで、いつもより前のティボックスで。ドライバーを使わないゴルフをするのも非常に面白い。

もうひとつは、自分で飛ばせるように、常に頑張ること。

飛距離に左右されないゴルフの楽しみを見出すことは重要だが、それと同時に「自分で飛ばすこと」を意識していたい。自分が何もせずに、軽く振ってすごく飛ぶクラブに結果を委ねるのではなく、まずは自分がレベルアップすることで効率よく飛ばせるようになっておきたい。そうすれば、どんどん進化していくゴルフクラブの効果を、将来、確実にプラス要素として感じることができると思うからだ。

いつも歩いている距離でも、一度車で来てしまうととても遠い道のりに感じてしまう。一度振らなくていいクラブを使ってしまうと、自分で振ることがどんどんきつくなってしまう。

若葉の頃に、葉が落ち、雪に埋もれる厳しい季節のことは想像もしない。でも、必ず冬はやってくる。その時のために、木々は葉を茂らせ、成長し、養分を蓄えているのだから素晴らしい。

やるべきことを、その時になって始めてもつらいだけ。歩かないとダメだぞと言われる時のため、心の底から飛ばしたいと願うかもしれない時のために、今から始めるのだ。

 

この記事を書いた人

CLUBER

Cultivator/ Yoshiaki Takanashi
ゴルフの雑誌作りに携わって20余年。独立起業してから5年が過ぎたモノ好き、ゴルフ好き、クラフト好き、信州好きな、とにかく何かを作ってばかりいる人間です。
ポジション・ゼロ株式会社代表/CLUBER BASE TURF & SUPPLY主宰/耕す。発起人
記述は2018年現在