好きこそ物の上手なれ

小さなカップ一杯の珈琲を落とすだけの作業だが、それには工夫と技術が詰まっている

一杯分の珈琲にこれだけの豆を使う。豆の性格と出来を考えて混合比率を考えて焼き、挽き目と落とす時間を見極める。手縫いのネルの詰まり具合で微調整もする。たった数度の温度さえ気を配り、まっすぐに湯を注ぐ。客の会話に相槌を打ちながら、気配り目配りをしながら、手元はしっかりと仕事する。まだ若い二代目だが美味しい珈琲を淹れる。

 

マスターの珈琲が好きでお客様がいらしゃるから同じような珈琲にしたいんですよ、そう二代目はいう

味覚の好みはそれぞれであり、いちばんおいしいは難しい。もっと美味しいだろう珈琲は出せるかもしれないけれど、マスターの味に近づける努力と工夫は欠かさない。黒でも茶でもなく赤に近い珈琲を濁りなく泡ひとつなくカップに注ぐ技術は甲乙つけがたい。意識することなく家業に入った二代目は珈琲と喫茶店がとても好きらしい。

 

この記事を書いた人

八和田徳文

Cultivator/Norifumi Yawata
ゴルフの仕事に携わって四半世紀。ゴルファーの一人として、ゴルフコースデザイナーの一人として、ゴルフに纏わる想いを綴ります。肩の力を抜いて愉しめばゴルフはもっと面白いはず。
ゴルフコース設計家・ゴルフ文化愛好家・芝生管理アドバイザー