無駄を愛でる。

紅葉の季節である。

ゴルフ場にとって一年で最も綺麗な季節かもしれない。

しかしこの紅葉はメンテナンス泣かせでもある。

日本のコースにはこのメンテナンスの時間が勿体無いということで

広葉樹林を伐採したり、針葉樹林だけにするコースもある。

お金のものさしでのみ計り、風情や情緒を置き去りにしてしまう。

無駄なことほど味わい深い。

ゴルフ場を経済で考えるのではなく、文化で考えたいものだ。

この記事を書いた人

宮本卓

Cultivator/ TAKU MIYAMOTO(TM・PHOTOLINKS)
過去・現在・未来という時間の横軸の一瞬を捉えるのがフォトグラファーの本分だ。その断片に映し出される現在が、過去をもの語り、未来を夢想させる。きりりと鮮明な過去と、不確かではあるが無限の可能性を秘めた未来。そのふたつがあるから、いまという微妙な色彩が際立つのである。モノクロームの色彩。黒と白の狭間で淡くグラデーションするグレーにも似て、いまという横軸はなんともいえない風情、色を醸し出すから面白い。時間軸を切りとり、そこに感情・感性加味して縦軸を引き出していく。それがフォトグラフの断片だとすれば、僕はそんな時空を愉しめるしごとを天職だと思い、ありがたく思っている。マジックアワー、時の線引きが曖昧な風景の中で、そんなことを思う。
ゴルフ写真家/全米ゴルフ記者協会会員/世界ゴルフ殿堂選考委員