小欲知足

 

盆も過ぎると感傷的になる日が増えてくる。夏のピークを越えて、実りの秋がくるはずなのに、そういう気分になるのは大人になるまえから続いている。本能的に何か感じているのだろうか。

何かに感情移入したり、人生を何かに例えたり、少々襟を正すようなことを考えたりする季節。盆がそうさせるのだろうか。

この頃よく思い出すのが祖母の言葉。両手を添えて丼を作ってごらん、それが食べていい量だよ。そのまま手で作った丼をお腹に添えてごらん、けっこうお腹膨れるでしょ。

なるほど、と何十回も思ったその言葉をもっと思い出していたら、この腹はもっと凹んでいたんだろうと五十路になって気付く。

煩悩に惑わされ、他人の眼ばかり気にしていたら、小欲知足には辿りつけないね、きっと。

この記事を書いた人

八和田徳文

Cultivator/Norifumi Yawata
ゴルフの仕事に携わって四半世紀。ゴルファーの一人として、ゴルフコースデザイナーの一人として、ゴルフに纏わる想いを綴ります。肩の力を抜いて愉しめばゴルフはもっと面白いはず。
ゴルフコース設計家・ゴルフ文化愛好家・芝生管理アドバイザー