おまじない

Wilson 8802のグリップ下に鉛テープを巻いた。BALANCE-UPと書いたコレ、ゴルフを始めた時からずっとある気がする。もしかしたら、こいつがゴルフ用品で最もロングセラーを続けている「定番品」なのではないだろうか(笑)

ボールを打ちながら、こいつを貼ったり剥がしたり、位置を変えながら練習した経験、昭和のゴルファーならきっとあるはずだ。キャディバッグにハサミが入っているわけもなく、とりあえず手でちぎって重さを調整した。イビツなカタチの鉛がちょこんと貼られているクラブは貧相に見えて好きではなかった。だから、後日ハサミできちんとカットした鉛に貼り替えたものだ。

でも、鉛を貼り替えると途端にいい球が出なくなった(笑) 現場で貼ったイビツな鉛には、まさにおまじないのお札のような不思議なパワーがあった。正確に何グラムとかは知らない。なんとなく、これくらいをここら辺に貼ったらいいんじゃないか? 感覚で貼りつけたお手製のお札である。

今、鉛を貼ったクラブを見かけることは少なくなった。ヘッドが重たくなったのかな?と思う。定番の鉛テープにはBALANCE-UPと書いてあるが、いつからか私はこれをBALANCE-DOWNのために使うことが多くなった。ヘッドではなくシャフトに巻くようになった。

所詮、感覚に導かれてやっている「おまじない」であることには違いないが(笑) 剥がすのはいつだってできるが、一度剥がしたらもう同じ感覚には戻せない。不思議なひとかけらである。

この記事を書いた人

CLUBER

Cultivator/ Yoshiaki Takanashi
ゴルフの雑誌作りに携わって20余年。独立起業してから5年が過ぎたモノ好き、ゴルフ好き、クラフト好き、信州好きな、とにかく何かを作ってばかりいる人間です。
ポジション・ゼロ株式会社代表/CLUBER BASE TURF & SUPPLY主宰/耕す。発起人
記述は2018年現在