#知らないを減らす

セルフプレーがスタンダードとなった今、先輩ゴルファーからの「口伝え」「教育」で、ラウンド中の暗黙の了解が継承されることはない。何も知らない人たちが4人で来て、よっしゃやったるぜー!でスタートできてしまう。やさしく手綱を握り、安全進行に導いてくれるキャディさんもついていない。

ゴルフを知らない人にとっては、開放的で自由で楽しいゴルフ。しかし、ゴルフを知っている後ろの組の人にとっては、非常にイライラする非常識ゴルフに映ってしまう。今時の若い者はマナーがなっとらん!となるのもわかる気がする。

でも、個人的には前の組の人は、ゴルフのことを「知らない人」なんだろうなと思うことにしている。知らないからやっていないだけ。そんなケースも多いと思うから。だって、ゴルフ場にはほとんど何も書いてないもの。

「エチケット・マナーにご協力お願いします」

それって何?と、知らない人は思うだろう。乗用カートに砂の入ったバケツがぶら下がっているけど、これは何?と思うだろう。ティーイングエリアの脇に砂が満載の土管があるけど、これは灰皿ということでOK? という感じになっていてもおかしくない。なぜなら、何も説明されてないから。

当然、わかってるよね? スタンスはもう通用しないのだ。

これから、個人的に、できる範囲でやってみようと思っていることは「知らないを減らす」取り組みだ。エチケット・マナーだからではなく、行動の目的をきちんと理解して自発的に“それならやってみよう”と思う人を増やすこと。やれと言われたからではなく、自分でやってみたいと思う人を増やすことだ。

個人的には、知った上で俺はやらないよというのは全然アリ。私はゴルフ協会の人じゃないし、ゴルフ場の人でもない。全員がやるべきだ!やらないとけしからん!とは全く思わない。自分もやらない時、日があるし。そんなに厳密なことにしていない。必要なことは「知っている」ということだろうと思う。

すでに知っている人に、何か働きかけをして「やってもらう」ことをしたいわけではないのだ。単純に知らない人を減らす。それくらいだったら自分でも何かしらできるかもと思う。知った先のことは、個々が決めることだ。

「平らにして去ろう。」という言葉を使ったポスターを配布する試みも、知らない人を減らすためのもの。知っている人に重ねて発信しているメッセージではありませんので誤解なきように。

この記事を書いた人

CLUBER

Cultivator/ Yoshiaki Takanashi
ゴルフの雑誌作りに携わって20余年。独立起業してから5年が過ぎたモノ好き、ゴルフ好き、クラフト好き、信州好きな、とにかく何かを作ってばかりいる人間です。
ポジション・ゼロ株式会社代表/CLUBER BASE TURF & SUPPLY主宰/耕す。発起人
記述は2018年現在