「松本は結構都会なんですよ、PARCOがありますから」
好きなドラマ白線流しで主人公の七倉園子が早稲田の先輩に真顔で言っていたのを、よく覚えている。その都会の象徴のPARCOも2年後に完全閉館となるそうだ。2月末で津田沼PARCO閉館を目の当たりにしただけに、松本市民の寂しさがよくわかる。地方はAEONというピンク色の大波に、個人商店も老舗もテナントも飲み込まれていくようだ。PARCOでさえも。もちろん、オンラインショッピング、Amazonの台頭も人の流れを大きく変えてはいるだろうが…。
先月末に信濃大町に行った時、静かすぎる駅前に心さみしくなった。活気がまるでなかった。駅舎に沿うようにある土産物店で「雷鳥の里」と「ハサイダー」を買った。松本でも買えるが、「雷鳥の里」は大町の銘菓だし、何かしら此処でお金を落とさないといけない。そんな雰囲気が漂っていた。
今日(2023年3月16日)、SNSの地域ニュースにて。
信濃大町駅の、先月立ち寄ったばかりの土産物店が3月末で閉店となると知った。案の定である。店を開けていたとて身入りは少ないだろう。仕方ない決断だと思った。
松本でも民芸レストランとして有名な「盛よし」が閉店することになり、ちょっとした騒ぎになっている。大町の土産物店も松本の民芸レストランも、ずっと昔からあり、地元の人にとってはあって当たり前。無くなることなんて考えたこともない「風景」のような存在だっただろう。
でも、人の流れは大きく変わった。そして、老舗経営者の世代交代も簡単ではなくなった。街の未来に見通しが立たないからだ。
私の生まれ故郷もそうだろうな。自分だって地元で生きているわけじゃない。信州の人だって同じだ。生まれた街で暮らし続けられることは当たり前じゃない。有名人の訃報、閉店のニュース。終わる、変わることばかりに気を取られてしまう昨今。こんなんじゃダメだなって思う。
だから、胸のうちに暖めていたことを始めてみようと思う。未来へ続くイメージが持てるコトを始めたい。