山はいつもそこにある。ふもとから見えたり、見えなかったりはするがその存在は揺るぎない。
しかし、人の営みはそうではない。永遠にそこにあるものではない。好きな宿、食べ物屋、美術館、雑貨屋、公園……。いつの間にか無くなってしまうのが、世の常である。
なぜ、頻繁に同じエリアに旅をするのか。もっと行ったことのない場所にしたらいいのに。とよく言われる。しかし、お気に入りの場所は誰かが訪れ、お金を落とさない限り、無くなってしまう。利用することは、お気に入りを守ること、自分のためなのだ。
閉店を惜しむのがファンか?
閉店とならないように気を配る。通う。それがお気に入りの示し方である。