沁みる珈琲

いつもの席に座り、気分で頼む。この頃はフレンチ濃いめがおおく、お気に入りだったモカはめったに口にしない。

二杯目を口に入れたころ、ちょっとあっさり目にしておきましたというマスター。ああ、あのことを気にかけてくれたんだな、なんて帰るころに思ったりする。

クリームが添えてあったり、スプーンが添えてなかったり、別に頼むわけでもなく間違えている訳でもなく、あれこれ気にかけてくれる。時間帯によって、会話によって、表情によって、量や器さえも変わる。

 

窓辺に飾ってある高倉健さんの写真のまえに、一杯の珈琲が添えてあった。ちょうど八年なんですよ。お気に入りの一杯をご馳走したそうだ。

 

この記事を書いた人

八和田徳文

Cultivator/Norifumi Yawata
ゴルフの仕事に携わって四半世紀。ゴルファーの一人として、ゴルフコースデザイナーの一人として、ゴルフに纏わる想いを綴ります。肩の力を抜いて愉しめばゴルフはもっと面白いはず。
ゴルフコース設計家・ゴルフ文化愛好家・芝生管理アドバイザー