耕す

虫けら、じつに人間都合に解釈した俗称。このケラだって相当有能である。人間にとって大して役にも立たないってことで邪魔者扱いするのは浅はかだよね。

土を耕すことは、それまでの土壌中の生態環境を大きく変える物理的作業である。鍬を入れ、根を切り、土の塊を砕き、解す。人間にとって有益だったはずの、ひょろながい無せきつい動物を抹殺してしまうこともあるし、暗い土中で静かに暮らしていた昆虫たちを掘り返してしまうこともある。気密性の高まった土壌が解れたことで、水や空気との親和性が高くなり、好気性微生物が増えてくる。根や葉や堆肥や死骸の無機化が促され、栽培に適した柔らかい豊かな土が仕上がってくる。

 

テントウ虫が有益で、ゴミムシは無益なのか? 見えていない微生物は? と考えることで創造性が芽生えるような気がしている。

このサイト〝耕す〟で画像や文字にせず隠しているところ、ぼんやりとでも想像してみると、凝り固まったゴルフ脳が解れるのでは?  なんてこの頃思っている。

 

 

この記事を書いた人

八和田徳文

Cultivator/Norifumi Yawata
ゴルフの仕事に携わって四半世紀。ゴルファーの一人として、ゴルフコースデザイナーの一人として、ゴルフに纏わる想いを綴ります。肩の力を抜いて愉しめばゴルフはもっと面白いはず。
ゴルフコース設計家・ゴルフ文化愛好家・芝生管理アドバイザー