Out of bounds

隠してもゴルフでは品格が表れる。非ゴルファーへの配慮がどれだけできるか、それはゴルファーへの配慮でもある。ゴルフコースがあり続けるためには、ゴルフコースを守る人がいて、ゴルフコースを許す人がいて、ゴルフコースで遊ぶための受益者負担をする人がいて初めて成り立つ。少々の足し算引き算はできたとしても、それ以外の方程式はない。

ゴルファー同士のエチケット&マナーをいくら唱えたとしても、それはゴルファーだけにしか通じない In Bounds だけのこと。ゲームの勝敗や飛距離自慢に夢中になるのは良いけれど、せめて場外飛球をしない配慮くらいは必要だ。Fore!といくら叫んでも、それは所詮ゴルファーだけに通じる言葉。

ゴルフが育った国にもないし、訴訟の国でもある北米にもないものが日本には多くある。施設賠償保険との兼ね合いや地域協定があるのかもしれないけれど、防球ネットは配慮が足りないゴルファーの多さを露呈するランドマークのようなものかもしれないと、日曜日は散歩する人に開放されるOld Courseの画像をみて、あらためてそう思う。

 

この記事を書いた人

八和田徳文

Cultivator/Norifumi Yawata
ゴルフの仕事に携わって四半世紀。ゴルファーの一人として、ゴルフコースデザイナーの一人として、ゴルフに纏わる想いを綴ります。肩の力を抜いて愉しめばゴルフはもっと面白いはず。
ゴルフコース設計家・ゴルフ文化愛好家・芝生管理アドバイザー