Diversity & Inclusion

画面中央のストライプ模様のところがティグランド、その右が前のホールのグリーン、左端が次のホールのフェアウェイ。シーサイドリンクスのおおらかな風景である。

グリーンに辿りついてしまえば、なんてことないじゃんと思う。

ティグランドで感じていたプレッシャーの意味がわかると〝ああ騙された〟と思う。

想像していたよりも随分広く、奥行きのあるフラットな大地だったのだ。

 

人工的なデザインのバンカーを配することなく、その地に生えている植物をハザードとして利用する。

見失えばロスト、リカバリーショットはとても難しい、バンカーより強烈なハザードである。

そしてバンカーのように砂の補充や都度の整備を必要としない、小動物も住めるエコフレンドリーなハザードである。

グリーン面を高台におき、あえてちょっと隠すことで想像力を要求する。

見えるところに打つ、見えないところに打つ、手前に刻む、技量と風とで判断させる。

階段をのぼるか、ちょっと遠回りしても緩いスロープをのぼるか、体力に合わせて選択できる。

多様性と包摂に配慮した優れたコースデザインのひとつだと思う。

 

Balcomie Links #16 162y Par3,  Spion Kop
A tricky uphill par 3 that always plays one club more. A bunker to the right can be seen from the tee. Hit the middle of the green and you are in good shape. https://crailgolfingsociety.co.uk/

このホール、ゴルファーに求められているのは技量よりも判断力と勇気。

ここをホームにゴルフを嗜むメンバーはきっと素敵なゴルファーだろうと思う。

 

 

この記事を書いた人

八和田徳文

Cultivator/Norifumi Yawata
ゴルフの仕事に携わって四半世紀。ゴルファーの一人として、ゴルフコースデザイナーの一人として、ゴルフに纏わる想いを綴ります。肩の力を抜いて愉しめばゴルフはもっと面白いはず。
ゴルフコース設計家・ゴルフ文化愛好家・芝生管理アドバイザー