趣味、故に

真空管のちょっとした違いで音質は随分と変わる。それは各部材を結線する金属線の鋼材質によっては差異が表現できないくらいの微差かもしれない。カートリッジの質なのか針の質なのか重量設定なのか、はたまたスピーカーの質なのか、湿度なのか観賞室の壁質なのか。調節機能は無限大であり、一期一会に近いものがあるが、理想とする範囲はデジタル音源と比較したら何となくあたたかい。

音源はiTunesで出力はワイヤレスヘッドフォン、それで機能はするだろう。簡単便利は人間が求めていることであろうし、それがいい人が99%だろうと思う。

それでも1%くらいの人は音源に込められたものを想像しつつ、再現するプロセスを愉しんでいる。結果が理想になることは先ずないであろうし、希望する理想の範疇もそれぞれだ。

それでも趣味が似通ったものが時間を共有し、音源を共有し、機材を共有し、鑑賞会を開いたりする。個室で聴くよりも愉しみが増えるからだ。この頃ゴルフ倶楽部とはそうであって欲しいと思うようになった。あくまでも倶楽部の話である。

 

この記事を書いた人

八和田徳文

Cultivator/Norifumi Yawata
ゴルフの仕事に携わって四半世紀。ゴルファーの一人として、ゴルフコースデザイナーの一人として、ゴルフに纏わる想いを綴ります。肩の力を抜いて愉しめばゴルフはもっと面白いはず。
ゴルフコース設計家・ゴルフ文化愛好家・芝生管理アドバイザー