明日もあるか

二泊三日の旅程では、思惑通りの山並みを眺めることは叶わない。雄大な山容こそ雲の中に隠れがちだからだ。せっかく来たのに、と何度天を仰いだことか。グレイの空の向こう側に三角の稜線を想像したことか。

山が見えずとも、楽しみはあるだろう。そういう風に思ったこともあるが、それは負け惜しみである。本心では、山が見えなければ意味がないと、旅のあいだずっと嘆き続けている。

二泊三日の旅程では「たいてい」思惑通りの山並みを眺めることは叶わない。裾野に暮らし、毎日仰ぎ見ることができる。そうでなければ見えない日に、とても平静を保ってはいられない。

明日もあるか。そう思えることが一番の幸せ。見えなかった時を想像すると、松本に向かう気になれない。

この記事を書いた人

CLUBER

Cultivator/ Yoshiaki Takanashi
ゴルフの雑誌作りに携わって20余年。独立起業してから5年が過ぎたモノ好き、ゴルフ好き、クラフト好き、信州好きな、とにかく何かを作ってばかりいる人間です。
ポジション・ゼロ株式会社代表/CLUBER BASE TURF & SUPPLY主宰/耕す。発起人
記述は2018年現在