
飽食の時代。特に日本では美味しいモノがあふれている。ある程度のお金をだせば豪勢な食事に誰でもありつける時代だが、案外と心まで満たされることはない。いまはもう懐かしい言葉になりつつある〝おもてなし〟の心は薄らいだのか、と思う残念なことの方が多いこの頃ではあるが、久しぶりに素敵な振る舞いをするところがあった。
初めのほうに出てくる刺身盛り合わせ、少し経ったころ一旦下げて小皿に取り分けるところは時々あるが、なんと太巻きにして出してきた。いろんな意味で心が潤った瞬間だった。当然好き嫌いはあるだろうけれど、私はそういうモノを粗末にしない気持ちが大好きだ。