Take a Risk

photo by M.SASAYA

これだけ「プリドーン」パターのことをSNS発信していると、あれは売るんですか? ルール大丈夫なんですか?と色々な人に会うたびに聞かれます(笑) そのなかで昨日、ひとつ印象に残った質問がありました。

「リスクは高梨さん持ちですか?」

このパターはゴールドファクトリーの全面的なサポートによって、驚異的なスピードでほぼ完成の段階まで進んできました。そもそも私が「ステンレスの丸棒にシャフト穴を開けてもらえませんか?」とお願いしたところから始まっており、ゴールドファクトリーのニューモデルを開発しているわけではありません。つまり、在庫リスクも全て私が負うべき案件でございます。

ここで、「リスク」という言葉を聞いて、私がどう思ったかということを書いておきたいと思います。

オリジナルで何かを作る時、在庫リスクという言葉がよく使われます。売れなかったらどうするんですか? 誰がその失敗の責を負うんですか? というものです。確かに、私が欲しいと思うモノはあまり多くの方にピンときていただけなさそうな商品ばかりですので、売ることを考えたらリスクしかないのかもしれません。でも、私の場合は、モノ作りは「チャンス」にしか思えません。

たとえば「プリドーン」パターにおいてはゴールドファクトリーの多大な好意によって、頭の中にあるイメージを実体化する「チャンス」をいただいた。その感覚しかないのです。

ヘッドの加工だけでなく、今回はグリップもゴールドファクトリー製のものを採用します。このグリップはゴールドファクトリーの佐々家さんが、PINGの定番であるPP58グリップを徹底的に研究し、KARSTEN SOLHEIMの設計意図を完全に理解した上で、さらに独自のアレンジを加えて誕生させたスタンダードパターグリップの完成形といえるものです。開発には相当な時間とコストがかかっています。

「プリドーン」パターはこの佐々家さんが負ったリスクによって成り立っているグリップを、そのまま採用させてもらうのです。今、パターグリップは太かったり、重たかったり、テーパーレスだったりと「使い手の感覚を抑える」ものが主流となっていますが、PP58やゴールドファクトリーグリップは「使い手の感覚を殺さず」に最低限の安定性(リストのロック感)を担保する「発明品」と言えるものです。ここにこそ、パターデザイナーの思想と工夫が詰まっている。それを「そのまま」使わせてもらえること自体、大いなるチャンス(機会)なのです。

もちろんグリップ単品でも買うことができます。重厚な箱入り。グリップを単なる付属品と捉えていないブランド姿勢がパッケージから溢れています。

モノ作りは、ある一面ではリスクなのかもしれません。キャロウェイゴルフの創設者、イリー・リーヴス・キャロウェイ氏の「Take a Risk」という言葉が思い出されます。リスクを負わずにビジネスの成功はないのです。しかし、実際はリスクとは、他人が感じるものなのではないかと思ったりしています。こういうものを作りたい! こういう事業を起したい!と思っている張本人にとってそれは「チャンス」でしかないと思うからです。やりたいと思うことをやらせていただける。それはやはりTake a Riskでもありますが、Make a Chanceなのだと思います。

この記事を書いた人

CLUBER

Cultivator/ Yoshiaki Takanashi
ゴルフの雑誌作りに携わって20余年。独立起業してから5年が過ぎたモノ好き、ゴルフ好き、クラフト好き、信州好きな、とにかく何かを作ってばかりいる人間です。
ポジション・ゼロ株式会社代表/CLUBER BASE TURF & SUPPLY主宰/耕す。発起人
記述は2018年現在