挿し色を合わせる

瑞雲カーボンはマットブラック仕上げのボディにポツリと金の瑞雲をデザイン。蒔絵をオマージュすることで「日本」を表現したものです。

オリジナルのパター用カーボンが完成し、プリドーンパターに装着した。

しかし、どうもパターに馴染んでいないような気がした。これはテスト用のカーボンシャフトでは感じなかった違和感だ。

違和感の正体。それはグリップ正面に入ったGOLD’S FACTORYのロゴ色にあった。テスト用のカーボンシャフトは一切の装飾を施していない、クリア塗装で下地のカーボン剥き出しのものだった。黒いシャフトに黒いグリップ。そこに白いGOLD’S FACTORYのロゴ。そこになんの違和感も感じなかった。

しかし、完成品の証しとして蒔絵イメージの「瑞雲」をデザインした途端に「景色」が変わった。グリップロゴの白と瑞雲の金が相入れないものに映ったのだ。これじゃないと思った。

だから、すぐにGOLD’S FACTORYに連絡し、「瑞雲カーボンを装着したモデルには、金色ロゴのグリップを入れたい!」と希望を出した。もしくはロゴ色なしで!

左から色なし、ブラックアウト(黒入れ)、白、シルバー、ゴールド、レッドが揃うGOLD’S FACTORYグリップ。

「OKです」。

答えは秒で返ってきた。なぜならGOLD’S FACTORYは常に、複数のロゴカラーのグリップをストックオプションとして持っているからだ。こちらの要望を見透かしたように「あるよ」「いいよ」で話はおしまいだ。

ここから先は皆さんにも考えていただきたい。

ゴルフクラブは、グリップ、シャフト、ヘッドの3パーツで構成されている。あまり意識していないかもしれないが、我々ゴルファーはこの3パーツの色情報を視界に映しながらアドレスをとっているわけだ。私のように繊細君であると、ヘッドに合わないシャフトのカラーというだけで落ち着かない。さらにそこに馴染まないカラーのグリップが入ると、もう目も当てられない。ヘッドの収まりが悪く見えるし、長さだっていつもと違って見える。とにかく落ち着いてボールに向かえないのである。

だからいつも思う。クラブを作る時はパーツの「カラー」で個性を出そうとし過ぎないでほしいと。

ゴルフクラブの「カスタム」というと難しく思えるかもしれないが、グリップ、シャフト、ヘッドの配色を整えるだけで、ゴルフクラブは相当かっこよく、愛すべきものに変わる。構えた時に見える「景色」もまた、ゴルフクラブの大切なパフォーマンスの一つだと思うのだ。

ヘッドはヘッド、シャフトはシャフト、グリップはグリップだけで選んでしまうと、かなりの確率で残念な見た目になる。ゴルフクラブはパーツを組み合わせるのではなく、常に「1本」の道具として観て、バランスを意識しておく必要がある。

そう思わないだろうか?

 

この記事を書いた人

CLUBER

Cultivator/ Yoshiaki Takanashi
ゴルフの雑誌作りに携わって20余年。独立起業してから5年が過ぎたモノ好き、ゴルフ好き、クラフト好き、信州好きな、とにかく何かを作ってばかりいる人間です。
ポジション・ゼロ株式会社代表/CLUBER BASE TURF & SUPPLY主宰/耕す。発起人
記述は2018年現在