慈しみ

一年を生きてきた証の年輪は幹だけでなく枝にも根にもある。土の中から水を吸い上げる根も、太陽を浴び光合成をする葉の支えになる枝も、全てを繋ぎ支える幹も、同じ歳月を過ごしてきた証を年輪として残す。

 

一粒の種から生まれ すくすく育ち

摘まれた枝先も幹に取り込めるほど育ち

枯れるまえに伐らざるを得ぬ

そういう生涯だった

 

そのくらいのことは年輪が証してくれる

だから少しの時間くらい

妥当な理由をもって慈しむ

そのくらいの心が必要だとおもう

 

それでも気付かず踏みつぶす営みもある

だから酒をあげ塩をもり

祈ることもする

伐る人はそのくらいの心を持っている

 

 

この記事を書いた人

八和田徳文

Cultivator/Norifumi Yawata
ゴルフの仕事に携わって四半世紀。ゴルファーの一人として、ゴルフコースデザイナーの一人として、ゴルフに纏わる想いを綴ります。肩の力を抜いて愉しめばゴルフはもっと面白いはず。
ゴルフコース設計家・ゴルフ文化愛好家・芝生管理アドバイザー