夢見る頃を過ぎても

ドラマ白線流しのロケ地巡礼から始まった信州・松本への旅。もう10年以上になる。最近は旅という感覚はまるでなく、里帰りに似た心境。とくに観光名所に行くわけでもなく、山が見えなければ途端にやることがなくなってしまう。私にとって暮らしの中にある場所となったのだと思う。特別なんだけど特別ではない。そんな感じか。

最近まで心のどこかで白線流しの新作を待ち望んでいたりしていたけれど、放送から30年も経てばもう演者が揃わない。園子、冬美、茅乃はテレビでよく見るが、渉、優介、まどか、慎司を見かけることはない。30年というのはそういう時間なのだと改めて認識する。

ロケ地巡礼はこの写真、薄川から始まった。松本北高の卒業式の日に彼らが白線を流した河原である。土手を上がると松本北高(松商学園)がある。今年甲子園にも行った球児たちが白球を追いかけ、川沿いをランニングしている。五月雨に金属バットの音が響いている。そんな場所。

青春の光景は、30年経っても何も変わっていない。今でもその路地からドラマの「彼ら」が出てきそうである。

生まれ育ってもいないのに郷愁を感じる。私にとって松本はそんな土地である。

 

この記事を書いた人

CLUBER

Cultivator/ Yoshiaki Takanashi
ゴルフの雑誌作りに携わって20余年。独立起業してから5年が過ぎたモノ好き、ゴルフ好き、クラフト好き、信州好きな、とにかく何かを作ってばかりいる人間です。
ポジション・ゼロ株式会社代表/CLUBER BASE TURF & SUPPLY主宰/耕す。発起人
記述は2018年現在