
ドライビングショットの落としどころは20ヤードくらいの円形台地を用意してあげましょう、そう安田幸吉さんは口にした。パーシモンに糸巻きボールで活躍した時代のトッププロの言葉だ。現代のトッププロの最大飛距離は300ヤードを超え始めているが、左右のブレは如何だろうか。我々アマチュアもどれだけ飛んだとかに意識はいくけれど、左右のブレは案外無関心である。
例えばキャリーで200ヤード飛ばせる道具があったとしよう。20ヤードの円形台地にボールが置けるだろうか。150ヤードだったらどうだろう?100ヤードだったらどうだろう?
例えば50ヤードだったらワンピンによる確率は何割だろう?
ゴルフコースを評するときに戦略的とかショットバリューとかの用語が使われることがあるが、実はかなり高次元なところでコース設計家は考えている。何ヤード飛んだから残り何ヤード、くらいのイメージでゴルフをしていたら気付かないかもしれないが、短いには短いなりの起伏や傾斜が用意されていたりする。ハザードの近くに次打のために良い場所が用意されていたり、ハザードとその距離感に強弱が付けられていたり、実はいろんな工夫がされている。飛距離と左右のブレの許容についても同様に、設計家の特徴が表れていたりする。
アフターコロナ、コースを愉しみながらゴルフをしてくれる人が一人でも増えたら嬉しいな、そう思いながら今日も鉛筆で線を描いている。