Deformation

プレストウィックのバンカーを未だに掘り続ける野兎がいることが、私的には微笑ましいことである。ここからセントアンドリュースに帰還したオールド・トムがゴルフの世界でグリーンキーピングを始めた。それはおそらく間違いないであろう史実。

 

野兎の掘った穴に小石を入れたのがゴルフの起源とする説もあるけれど

古い時代から食料として飼われていたことも事実であって

脱走兎だか野兎だかは怪しいことであり

ましてや羊がこの穴に隠れるまでには相当の年月が必要になる

 

兎が掘った小さな穴に石ころを入れてみたり

埋めたりしながらゴルフが発展したことは事実であるし

なにが格好良くて何が不格好であるなんてことは

時代背景によって随分と変わる

 

いま楽しんでいるゴルフがどう変化すればいいのか

未来永劫ゴルフを楽しめるために必要な変化はなんなのか

そこを考えるのがリデザインである

 

自然をただ模倣することでなく

自然の美しさを際立たせるようにデフォルメする

行き過ぎた誇張や様式は自然に耐えられず

ただ崩れゆくだけである

 

兎の掘った穴がグリーンのなかにあるホールになるのか、堀広げてバンカーになるのか、そこが分岐点である。自然の観察も足らないマンメイドデザインが目立ちすぎる近代的ゴルフコース。砂地でもない場所でバンカーを掘ってみたりすることが、そもそもの愚行かもしれないとさえ感じてしまう。

 

 

 

 

 

この記事を書いた人

八和田徳文

Cultivator/Norifumi Yawata
ゴルフの仕事に携わって四半世紀。ゴルファーの一人として、ゴルフコースデザイナーの一人として、ゴルフに纏わる想いを綴ります。肩の力を抜いて愉しめばゴルフはもっと面白いはず。
ゴルフコース設計家・ゴルフ文化愛好家・芝生管理アドバイザー