with コロナ
新様式
New Normal
新型ウイルスが人々の暮らし方を変えようとしているのだ。とテレビが言っていた。
自分が持っていれば満足!ということで「木のたばこ」の制作はしばらく放置していたけれど、ここ最近になって、制作意欲がある時に立ち上げた木のたばこ専用通販ページ(笑)を通じて「いつ再入荷するのか?」「もう作るのをやめたのか?」と相次いで問い合わせメールをいただいた。
喫煙者はコロナに感染すると肺炎が重症化しやすいらしい。これを機に禁煙をしようと考える人も少なくないのだろう。
せっかくお問い合わせをいただいたので、雨続きの四連休を使って久しぶりに手仕事をしてみた。職人はとかく「同じモノなら同時期に一気に作ってしまいたい!」というものだが、久々に木のたばこに向き合ってみるとその気持ちがよくわかった。
一生懸命作っていた頃の3倍くらい作業時間がかかってしまったのだ。
「同じモノなら同時期に一気に作ってしまいたい!」とは、仕事を手が覚えているうちにやっておきたいという意味だ。単に効率的であるかということだけではなく、手慣れている時にやった方が、絶対的にいいモノに仕上がる。間隔が開けば、全てがリセットされてしまうのだ。
作業ついでに、以前作った木のたばこをウッドワックスで拭いていると、どうも形状的に気に入らないモノがいくつもあることにも気づいた。落ち着いてみるとアラもよく見える。それらをサンドペーパーであらためて整えていく。そうやって丁寧さを加えていけば、もっともっといいモノになる。出来た!と思ったところからが始まりなんだな、と思った次第。
今回、作った木のたばこも、使う人が自分で削ったり、長さを調節したり。“馴染む”ように手を入れてくれたらいいな、と思った。そうやって愛着を持てるモノにしていけば、禁煙という難しい目的も達成できるのではないかと思う。愛着が持てる特別なモノでなければ、鉛筆を指に挟んでいるのと何ら変わらないだろう。
すべてのモノは、買ってからが始まりだ。買うのを目的としない。それも新様式だろう。